田中秀明(たなか・ひであき) 明治大学公共政策大学院教授
東京工業大学大学院及びロンドン・スクール・オブ・エコノミクス大学院修了、博士(政策研究大学院大学)。専門は公共政策・財政学・社会保障。1985年旧大蔵省入省後、旧厚生省、外務省、内閣官房、オーストラリア国立大学、一橋大学などを経て、2012年より現職。主な著書に、『官僚たちの冬』(2019年、小学館新書)、『財政と民主主義』(共著、2017年、日本経済新聞出版社)
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
幹部公務員・日本学術会議人事にも透明性を
筆者が、一連の騒動の中で注目しているのが、15日の衆議院予算委員会での菅首相の発言である。森会長は辞意を表明したが、その後任人事を巡っても混乱をもたらした。菅首相は、森会長の進退には明確な考えを示さず、川淵三郎・元日本サッカー協会会長を後任に推す動きについてはクギを刺したことから、「一貫性がない」と指摘され、委員会で経緯を説明した。後任人事については「次の候補があたかも決まったような報道が流れた。私自身は大変な危惧を覚えた」、「このままでいったら大変なことになってしまうというなかで、私は『決定をする際には、ルールに基づいて、透明な形で決めるべきだ』と強く申し入れている」と述べた(「朝日新聞」2021年2月16日)。
菅首相が人事の透明性に言及したことに、筆者は驚いたのである。首相発言の内容そのものは良いが、そうであれば、日本学術会議
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