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コロナで財政支出は必要だけど、そのツケを若者に押しつけないために必要なこと

「財政的幼児虐待」をやめ、世代間の公平を取り戻す良識が問われる

岸本周平 国民民主党衆院議員

預金口座とマイナンバーの紐づけを

 コロナによって所得格差は広がる一方です。コロナの収束に成功した暁には、所得再配分効果を高めるための「社会保障と税の一体改革」を行うべきです。そのためにも、給付付き税額控除制度を導入し、中低所得者層を救済するインフラを整備しておく必要があります。財源は、所得控除を整理・縮減すれば捻出できます。所得控除から税額控除に移行すれば、それだけで高額所得者の負担を増やし、所得再分配効果も強化されます。

 団塊の世代が後期高齢者になるこれから、社会保障の負担を年齢で区切ることに合理性はありません。年齢とは関係なく、所得の多い少ないで負担割合を決めるべきです。それには資産性所得の把握が必要になる。株式の譲渡益や配当にはすでにマイナンバーが義務付けられています。加えて、利子所得の把握のために預金口座とマインナンバーを紐づけることが不可欠です。

 これこそが、フローの収入は少ないが、多額の資産を保有する高齢者層に社会保障の負担をお願いするために、DX(デジタルトランスフォーメーション)を政策の「一丁目一番地」に掲げる菅義偉内閣として、正面から取り組むべき課題だと思います。

拡大Benny Marty/shutterstock.com

債務は特別に管理。歳入改革は必須

 また、コロナに対応するため、国民の命と暮らしを真に守るための歳出増加はやむを得ないですが、そのための債務は特別に管理し、将来は震災復興特別税のような仕組みで、後代に負担を残さないようにすべきです。

 10年前の東日本大震災では、復興特別税として25年間、所得税額に2.1%を付加、10年間住民税を1000円増額しました。法人税は3年の予定が2年間に短縮されましたが、かわりに特別法人税を徴取しました。孫や子どもに負担をつけ回すのではなく。30年でも良いですから、私たちの世代でコロナ対策費用を負担する覚悟が求められています。

 今はやりの「MMT理論」について、私は特別な経済理論ではなく、正しいと思っています。MMT理論では財政支出が貨幣流通の起点になります。人々が貨幣を信用し、納税するために貨幣が必要になるため、需要が発生するというモデルです。

 自国通貨で国債を発行することに制約はありません。しかし、国債を発行し続けると、どこかで必ずインフレになります。そうなれば、増税して貨幣を吸収すればいいというのがMMT理論です。現実には増税ができないから、悩ましいのですが……。

 第二次世界大戦後、日本は約300倍のインフレに見舞われました。これは供給能力が破壊されていたためのインフレで、結果的に戦時国債の値打ちが300分の1になり、借金は返せました。犠牲になったのは、国債を保有していた国民でした。

 今は供給サイドに問題はありません。しかし、政府債務の残高が家計や企業の民間部門の貯蓄の残高を上回る時、おそらくインフレが来ます。3、4倍程度のインフレかもしれませんが、サラリーマンの貯金の値打ちは3分の1、4分の1になります。一方、お金持ちは株や不動産を持っているので被害はありません。

 そうならないためにも、

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筆者

岸本周平

岸本周平(きしもと・しゅうへい) 国民民主党衆院議員

1956年7月12日和歌山市生まれ。広瀬小学校、城東中学校、桐蔭高等学校、東京大学法学部卒業。1980年大蔵省入省、プリンストン大学客員講師、経済産業省課長、財務省課長、トヨタ自動車(株)渉外部部長、経済産業大臣政務官、内閣府大臣政務官などを歴任。2009年より和歌山1区で小選挙区4期連続当選

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