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オーストラリアのプラットフォーマー規制問題の本質

ターゲティング広告規制の必要性

塩原俊彦 高知大学准教授

欧州での記事利用料をめぐる争い

 実は、この記事利用料をめぐっては、欧州でも争いが起きている。といっても、最初にのべたように、プラットフォーマー規制をめぐる一連の課題の一部としてこの利用料が問題化しているにすぎない。

 プラットフォーマーに記事利用料の支払いを義務づける法律(「欧州著作権指令」)は、欧州連合(EU)の著作権ルールを近代化するために、EUの執行機関である欧州委員会は2016年にルールを提案、2019年2月になって妥協案の文言についての非公式合意に達し、同年3月、欧州議会本会議で承認されたあと、4月に承認された。

 著作権指令自体は、教育・研究・文化遺産関連の著作物を利用する機会を増やすことを目的としている。その第11条で、出版社などのメディア側が提供するテキストの一部をプラットフォーマーが表示することに対して金銭を要求する権利が与えられたと解釈されている。これは、2013年8月1日に施行されたドイツのいわゆる「出版社の付随的著作権法」で、ウェブ検索エンジンによって提供されたニュースのスニペットであっても料金が徴収可能となったことの延長線上にある。だが、グーグルはこれに応じない状況が

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

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