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「国際防衛展示会・会議」(IDEX)が教えてくれる武器輸出の現状と課題

丹念に研究しリアル・ポリティーク分析につなげよ

塩原俊彦 高知大学准教授

武器輸出の実績

 日本政府は2011年12月、「防衛装備品などの海外移転に関する基準」についての内閣官房長官談話により、①平和貢献・国際協力に伴う案件、②わが国の安全保障に資する防衛装備品などの国際共同開発・生産に関する案件について、厳格な管理を前提に武器輸出3原則などの例外化措置を講じた。ついで、2014年4月、前年12月の「国家安全保障戦略」に基づいて、防衛装備の海外移転について武器輸出3原則に代わる「防衛装備移転3原則」を策定した。これに伴って、「武器輸出」の態勢整備のために2015年に発足したのが防衛装備庁ということになる。

 だが、輸出実績はあがらず、2020年8月28日、当時の河野防衛大臣が三菱電機とフィリピン国防省との間で防空レーダー4基の輸出契約が成立したと発表した。これが完成品の初の輸出で、受注総額は1億ドルだ。

 菅義偉首相がベトナムを訪問した同年10月19日に、日越両国が「防衛装備品の輸出と技術移転に関する合意」に署名した。これは、「防衛装備品・技術移転協定」と呼ばれる武器輸出の前提となるものだが、その具体的な内容は明らかに

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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