花田吉隆(はなだ・よしたか) 元防衛大学校教授
在東ティモール特命全権大使、防衛大学校教授等を経て、早稲田大学非常勤講師。著書に「東ティモールの成功と国造りの課題」等。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
新党首ラシェット氏、「調整型」が吉と出るか──コロナの動向も重大要因に
CDUはもともと保守の政党だ。伝統的な価値観、家族、宗教を大事にする。
これに挑戦状を突き付けたのが2000年に党首に就任したメルケル氏だった。
しかし、これが党内の反発を呼ぶ。CDUは保守・右派とリベラル・左派に対立、非主流となった保守派はリベラル派に対する不満を募らせていった。
ラシェット氏がメルケル路線を継承するとは、このままリベラルの立ち位置を続けるということだ。保守派は当然面白くない。メルツ氏を代表に担ぎ、党を二分する結果となった。
ラシェット氏が越えなければならない第一のハードルとは、この分裂を如何に食い止め、党内を一つにまとめていくかということだ。しかし、路線の違いは容易なことでは埋まらない。対立はメルケル氏が党首になってからだから20年以上続く問題だ。このハードルは手ごわい。
ラシェット氏は調整型の政治家だ。目標に向かって一直線に突き進むというのではなく、
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