「問題は存在しない」尖閣、紛争まみれの歴史
2021年03月13日
尖閣諸島、浪高し!~中国海警法から1カ月、日本には唯一“戦略的臥薪嘗胆”の道①
尖閣諸島、浪高し!~中国海警法から1カ月、日本には唯一“戦略的臥薪嘗胆”の道②
「尖閣諸島をめぐり、解決すべき領有権の問題は存在していない」――日本政府の公式見解とは裏腹に尖閣諸島の歴史は紛争まみれである。その紛争の歴史を別表にまとめた。50年を振り返るので少々長くなるが、御寛恕願いたい。日本側から執った行動などは便宜上青字で表した。
①日中台が領有権を主張する尖閣問題は、日本対大陸、台湾、香港、そして世界中の華人社会の対立構図へ発展
②日中台三方が領有権を主張し始めた1970年代から現在まで一貫しているのは日本の民間団体が灯台や石碑の設置、尖閣での慰霊活動など主権を強調する行動を取ると、中台はこれに対抗して領海、接続水域、排他的経済水域などへの侵入で直ちに反応
③こうした民間団体の尖閣での活動に関して日本政府は2012年の国有化以降、抑制する方針に
④しかし、民間団体の行動を抑止するには至らず、その度に中台からの強硬手段が繰り返される
⑤軍事力を向上させた中国の領海や領空への侵犯はエスカレート
⑥中国が1971年の領有権主張から領海法の制定、そして先月1日からの海警法施行まで着々と日本の実効支配の打破まで長期的戦略に立ってた持久戦を展開
⑦日本政府はこれに対して民間団体の活動に対する抑止も完全にはできず、その場しのぎの対応に終始
――ということが見て取れよう。
そこで棚上げ論の“同島異夢”と同じく重要な問題になるのは尖閣国有化の後、日中間に現状変更に関する黙契が
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