メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

ドイツ地方選の衝撃~メルケル与党大敗で欧州政治に変革の可能性

長期政権の劣化を露呈、与党はずしの連立構想が浮上

花田吉隆 元防衛大学校教授

国政選への影響見越し、連立構想が変化

拡大キリスト教民主同盟(CDU)の党本部建物にある党名のロゴ=hydebrink/Shutterstock.com
 何といっても、CDUの負け方がひどい。過去最低の得票率は、今後これで止まってくれるのか、それとももっと下がっていくのか、はっきりしたことはわからないが、CDUに更なる逆風が吹くことも十分考えられる。

拡大バーデン・ビュルテンベルク州議選で、緑の党への支持を訴えるクレッチマン州首相のポスター=2021年3月12日、シュツットガルト
 逆に、緑の党の躍進は目を見張る。バーデン・ビュルテンベルク州のヴィンフリード・クレッチマン州首相(緑の党)の人気は、緑の党が十分な政権担当能力を持っていることを示している。

 今後、CDUの凋落と緑の党の躍進という今回の流れが加速していくようであれば、連邦議会選挙も影響を受けないではいられない。

 これまで、9月の選挙後に関し、誰もが、第一党のCDUと第二党の緑の党による連立政権を予想していた。しかし、場合によっては、この見方は修正しなくてはならないかもしれない。では、一体どういう連立の組み合わせがあり得るのか。

緑の党を軸に、CDU外しの「信号連立」急浮上

 ここで、急速に浮上してきたのが、「信号連立」の可能性だ。信号連立とは、緑の党、SPD(シンボルカラー、赤)にビジネス重視の自由民主党(FDP、黄)を加えた「緑赤黄」連立をいう。

 今、大方の世論調査で、CDUは急速に支持率を失いつつあるが、これがこのまま続き、代わって緑の党が躍進するようなことがあれば、選挙後の連立交渉をCDU抜きですることもあり得ないことではなくなる。CDUを外し、2位以下による連立の可能性だ。

 無論、緑の党とFDPとは立場にかなりの隔たりがあり、交渉は容易でないかもしれない。しかし妥協が不可能というわけでもない。現に、ラインラント・プファルツ州では、この組み合わせで政権運営が行われている。

独政治の左旋回を招き欧州全体を揺るがす可能性

拡大緑の党のサイン=Tobias Arhelger/Shutterstock.com
 もし仮に信号連立が実現すれば、ドイツ政治は緑の党を軸に大きく左旋回することになる。1998年から2005年の、SPDと緑の党による連立政権の再来だ。

 変化は気候変動問題への政策に止まらない。公共投資や財政赤字に対する基本姿勢や、場合によっては中露への対応も変わる可能性がある。ドイツ政治の変化はドイツ国内に止まらず、欧州全体に波及していくだろう。

 つまり、この選挙の持つ意味は、今後のドイツ政治並びに欧州全体の動きを占う上で極めて重要ということだ。今や、

・・・ログインして読む
(残り:約1531文字/本文:約3453文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。