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世界の最新ブロックチェーン事情

知らないと損するDeFi、NFT、CBDCという三つの波

塩原俊彦 高知大学准教授

プルーフ作業時間の短縮

 つぎに問題となったのは、プルーフ作業にかかる時間だ。これが短時間で済めば、ビジネスにブロックチェーンを利用しやすくなる。しかも、管理者の存在を前提にすれば、比較的安心してブロックチェーンを「仲間同士」で利用可能となる。2019年8月に上梓した拙著『デジタル空間における覇権争奪』では、「ビットコインの取引速度毎秒7~10件、イーサリアムは15~100件/秒で、ブロックチェーンの Telegram Open Network(TON)は毎秒 100 万件を超す速度をめざしているという」と書いておいた。

 だが、2021年3月現在、取引速度は速まっている。暗号通貨カルダノ(ADA)の開発機関「IOHK」は、新しいプロトコル「Hydra」(ヒュドラ)を正式に開始した(https://coinpost.jp/?p=141585)。取引処理では、理論上、1秒あたり100万件のトランザクション処理も可能にする。ほかにも、処理速度が速い暗号通貨「ポルカドット」(Polkadot)、「ソラナ」(Solana)、「ニア」(NEAR)などがある。

 中国のブロックチェーン「長安チェーン」は、「制御可能なブロックチェーン専用加速チップと、演算速度が世界トップの毎秒10万件以上にのぼるブロックチェーン基礎ソフトウェアプラットフォームに基づいて、その演算速度と安全性のダブル向上を実現した」と、2021年3月25日付『人民網日本語版』が伝えている。

二つの波:DeFiとNFT

 こうして、ブロックチェーンをめぐって、二つの波が押し寄せ

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

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