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交通事故の死傷者数を少なく見せたい本当の理由~背後に成果主義と新自由主義

交通事故は本当に減っているのか(下)

斎藤貴男 ジャーナリスト

警察の自画自賛の果てに起きたこと

 今日では、ドライバーも警察も、嘘に嘘が塗り固められた虚構の空間で、ふわふわと夢を見ながら運転をし、あるいは取り締まりに臨んでいる。そんなふうに感じられて仕方がない。

 加藤氏は嘆じていた。

「どうかすると私は、警察の自画自賛を国民が妄信していなければ、あの一昨年4月の、母子2人を死亡させ、9人に重軽傷を負わせた池袋暴走死傷事故だって起こらなかったのではないか、と考えてしまうことがあります。池袋の1カ月後には、滋賀県大津市の交差点で保育園児の列に軽乗用車が突っ込み、園児2人を死亡させ、14人に重軽傷を負わせる事故まで起きた。加害者の女(当時52歳)は、『考えごとをしていた』と言ったんですよ」 

 なぜ、こんなことになってしまったのか?

 加藤氏は、「ヨーロッパの先進国に追いつき、追い越したい意欲が大本にあったのでしょう。第8次交通安全基本計画が策定された際のモデルは、オランダ、スウェーデンなどだったと思います」と話していた。

 だが、筆者にはそれだけだとも思えない。というのは――。

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筆者

斎藤貴男

斎藤貴男(さいとう・たかお) ジャーナリスト

1958年、東京生まれ。新聞・雑誌記者をへてフリージャーナリスト。著書に『決定版 消費税のカラクリ』(ちくま文庫)、『ちゃんとわかる消費税』(河出文庫)、『戦争経済大国』(河出書房新社)、『日本が壊れていく――幼稚な政治、ウソまみれの国』(ちくま新書)、『「東京電力」研究──排除の系譜』(角川文庫、第3回「いける本大賞」受賞)、『戦争のできる国へ──安倍政権の正体』(朝日新書)など多数。

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