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腐敗防止と安全保障を結びつけるバイデン政権

「武器化された腐敗」に立ち向かう

塩原俊彦 高知大学准教授

「武器化された腐敗」とは何か

 『フォーリン・アフェアーズ』(2020年7月/8月号)に掲載された「戦略的腐敗の隆盛 どのように国家は接待を武器にするのか」を読むと、「武器化された腐敗」が何を意味しているのかを理解することができる。そこでは、つぎのように指摘されている。

 「いま何が新しいかというと、腐敗が国家戦略の手段に変形さえれていることだ。近年、ことに中国やロシアをはじめとする多くの国が、これまで自国の政治システムの特徴でしかなかった腐敗を、世界を舞台にした武器に変える方法を見出したのである。以前にも各国はこのようなことを行ってきたが、今日のような規模ではなかった。」

 腐敗が安全保障に深くかかわっているはクーデターを研究すればわかる。1968年刊行の『クーデター入門』(日本語訳は1970年刊行)で有名となったエドワード・ルトワックは、2016年に出した改訂版、2018年の日本語訳『ルトワックの〝クーデター入門〟』のなかで、つぎのように改訂版を出した理由をのべている。

 「たしかに細かい部分で修正すべきところをみつけたのだが、それよりも大きく見逃していたことに気づいたのは、多くのクーデター発生のきっかけが「腐敗」にあったということだ。」

 腐敗があるところでは、権力を奪えば莫大な富を得ることができるので、腐敗の存在がクーデターを行う動機となる。ゆえに、昔から、腐敗と安全保障とは深く関連し

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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