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AI規制の必要性:EUの提案をめぐって

安全保障を名目にすれば、際限なく利用が認められてもよいのか

塩原俊彦 高知大学准教授

禁止されるAI

 今回の提案はどのようなAI利用を禁止としているのだろうか。提案では、AI利用に伴うリスクを、①許容できないリスク、②高いリスク、③低いまたは最小限のリスクの三つに分け、①のリスクに対してはAIシステム自体を禁止としている。具体的には、意識を超えたサブリミナルな手法で人を操作したり、子どもや障害者など特定の弱者の脆弱性を悪用して、本人や他人に心理的・身体的危害を加える可能性のある方法で行動を著しく歪めたりする可能性が大きいものを対象としている。

 また、この提案では、公的機関が行う一般的な目的のためのAIによるソーシャルスコアリングを禁止している。

 最後に、法執行を目的とした公共アクセス可能な空間での「リアルタイム」遠隔生体認証システムの使用も、行方不明の子供を含む、特定の潜在的犯罪被害者を対象とした捜索、人の生命や身体の安全に対する具体的、実質的かつ差し迫った脅威、またはテロ攻撃の防止などの場合を除き、禁止

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

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