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東京五輪への看護師500人派遣で24万人のワクチン接種が遅れる?

世田谷区長のツイートを基にシミュレーションして見えた驚きの数字

大濱﨑卓真 選挙コンサルタント

看護師はワクチン接種の要

 筆者は世田谷区に住んでいる。世田谷区は東京23区で最も人口が多く、ワクチン接種のオペレーションについてはメディアのも注目をしているところだ。保坂展人・世田谷区長は、5月1日のツイートで、「世田谷区で3日から始める集団接種では1時間あたり12人(1人5分)でシフトを組んでいるので、70レーン以上の設営をして、ここに問診・分注・接種・事後観察を配置」と述べている。

 ワクチン接種は、接種対象者に対するオペレーションを「レーン」で管理することがほとんどだ。まず問診があり、そのうえで患者に接種し、事後観察を行う。

 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」によれば、このレーンを構成するチームは、「予診・接種に関わる者として、予診を担当する医師1名、接種を担当する医師又は看護師1名、薬液充填及び接種補助を担当する看護師又は薬剤師1名を1チームとすること」とされている。また、会場内にはこのレーンの後に経過観察をする場所において、「接種後の状態観察を担当する者を1名おくこと(接種後の状態観察を担当する者は、可能であれば看護師等の医療従事者が望ましい。)」とされる。

 いずれにせよ看護師は、ワクチン接種業務の要である「接種」ができるという点において、非常に重要な戦力だ。接種行為の人手が足りないため、歯科医師や薬剤師、さらに看護学生にも依頼しようという動きがあるなか、ワクチン接種の処理能力はひとえに看護師の数にかかっていると言っても過言ではない。看護師の数が少なければ、事務職員や医師がどれだけいても、ボトルネックになりかねない。

拡大新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける男性。世田谷区で一般の高齢者向け接種が始まった=2021年5月3日、東京都世田谷区の大蔵第二運動場体育館

世田谷区長のツイートを参考にシミュレーション

 保坂区長のツイートを参考に、東京五輪組織委員会が要請している「看護師500人、研修・実務合計延べ実働48時間」がワクチン接種業務にどれだけ影響を与えるかシミュレーションしてみた。

 はじめに断っておくが、このシミュレーションは、看護師500人がすべて接種業務にあたった場合、どれだけワクチン接種が増えるか、という単純計算に基づく。理由は以下の通り。

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筆者

大濱﨑卓真

大濱﨑卓真(おおはまざき・たくま) 選挙コンサルタント

1988年生まれ。青山学院大学経営学部中退。2010年に選挙コンサルティングのジャッグジャパン株式会社を設立、現在代表取締役。衆参国政選挙や首長選挙をはじめ、日本全国の選挙に与野党問わず関わるほか、「選挙を科学する」をテーマとした選挙に関する研究も行う。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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