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野党はSNSの「成功体験」を捨て去りましょう

必要なのは、ネットの泥沼から抜け出して人々の生の声を聞くこと

木下ちがや 政治学者

日本共産党の「成功体験」

 2013年参議院選挙と2014年総選挙で躍進したのは日本共産党である。日本共産党は1970年以後、ソ連東欧社会主義の崩壊後にも総選挙で500万票前後の得票数を維持してきたが、2000年代に自民党、民主党の二大政党化がすすむなかで勢力を後退させ、2012年総選挙では比例代表で368万票まで後退していた。

 ところが、ネット選挙が解禁された2013年参議院選挙では、東京選挙区(5人区)で12年ぶりに議席獲得をはたし、2014年総選挙では606万票(比例)を獲得し議席を大幅に増やした。この選挙で共産党は、前回総選挙から比例で238万票増やしている。

 その要因のひとつは政権から転落した民主党への幻滅もある。だがもうひとつの要因は、3.11と反原発運動の台頭に対して、日本共産党が他党に先駆けてSNSを積極的に活用し、街頭の集会やデモに国会議員を率先して投入し、社会運動―SNSとリンケージした党勢拡大運動に取り組んだことによる。2013年東京選挙区で当選した吉良よしこは反原発運動のスタッフをつとめ、SNSをつうじて知名度をあげていった。吉良は前回参院選東京選挙区の候補者に比べ15万票を増やし当選している。この活動力が、これまで共産党を支持していなかった野党志向の無党派層を喚起したのである。

立憲民主党の「成功体験」

 だが、この社会運動とSNSのリンケージにより形成された支持層が、共産党にそのまま定着することはなかった。それが明らかになったのが2017年総選挙で

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筆者

木下ちがや

木下ちがや(きのした・ちがや) 政治学者

1971年徳島県生まれ。一橋大学社会学研究科博士課程単位取得退学。博士(社会学)。現在、工学院大学非常勤講師、明治学院大学国際平和研究所研究員。著書に『「社会を変えよう」といわれたら」(大月書店)、『ポピュリズムと「民意」の政治学』(大月書店)、『国家と治安』(青土社)、訳書にD.グレーバー『デモクラシー・プロジェクト』(航思社)、N.チョムスキー『チョムスキーの「アナキズム論」』(明石書店)ほか。

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