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「政治改革」の残された課題 企業団体献金全面禁止がいま必要な理由

今もなくならない「政治とカネ」の問題。私はなぜこの課題にこだわるのか

落合貴之 立憲民主党衆院議員

中途半端だった政治資金規正法

 その最中に行われた1993年の総選挙の結果、政治改革をめぐって分裂した自民党が40年近く担ってきた政権を失い、野党の連立政権である細川護熙内閣が誕生しました。細川内閣では衆議院に小選挙区制を導入する選挙制度改革とともに、政治資金規正法が改正され、5年後に企業団体献金を禁止するという旨も明記されました。

 ただ、そこにはその後「抜け道」がつくられました。確かに、政治家個人に対する企業団体献金は禁止されました。しかし、政党や政党の支部に対する献金は認められたのです。

 2000年2月28日の朝日新聞の社説がここにあります。「そこら中に政党支部が 企業献金」という見出しの記事によると、東京都議会の自民党議員50人が一斉に政党の支部を設立した。目的は、企業団体献金を受け取るためとあります。

 政治家たちは自分たちで作った法の抜け道を利用して、政党の支部を作り、自らその代表になって、企業団体献金を再び受け取るようになりました。この頃、政党の支部が一気に増えています。そして今、自民党には、企業団体献金を受け取れる政党支部が7000以上あります。それぞれの支部の代表者に、国会議員や自治体議員がつき、企業団体献金を手にしています。

 政治改革の実現を求める民意を受けて成立した細川内閣で、企業団体献金は禁止するという法律をつくったにもかかわらず、5年後の実行段階では(そのときは、自民党政権に戻っていました)、素知らぬ顔で抜け道がつくられ、今に至っているわけです。

拡大Princess_Anmitsu/shutterstock.com

企業団体献金全面禁止法案を提出したが……

 企業団体献金の全面禁止を求める動きもありました。調べてみると、民主党政権時代に、企業団体献金を全面禁止させる方向で議論が進み、2011年3月10日に最終案が党の部会を通っています。

 しかし、不幸なことに、その翌日はまさに東日本大震災の日。原発事故や津波被害への対応でドタバタするうちに、この件は棚上げとなってしまいました。もしあの時、企業団体献金が禁止されていれば、その後の日本政治の風景は大きく変わっていたと思えてなりません。政治家を取り巻く一部の企業のためではなく、国民のための政治へと。

 国民のための政治を実現するために、「政治改革」の時代に成し遂げられなったことを成し遂げなければならない。より良き政治を求めた当時の熱い民意を、ないがしろにしてはいけない――。

 2014年の衆院選で初当選した私は、本気でそう思定め、企業団体献金を全面禁止するための議員立法作りに奔走しました。2017年には、所属する民進党の承認も得て、国会への提出に至りました。しかし、与党の賛同は得られず、いまだ審議には至っていません。

政治家に都合の良いルール?

 政治改革が叫ばれてから30年。政治腐敗をなくすための法律がつくられ、政治家たちが選挙区内のあらゆる冠婚葬祭に顔を出して多額のご祝儀やお香典を配ることや、あらゆるお祭りやイベントに顔を出してお祝いを配ることに制限がかかるようになり、政治家が選挙区内にお金をばらまくことはだんだんとなくなってきました。

 しかし、お金の「入り」の部分、つまり企業団体による献金や政治資金パーティーのパーティー券購入は、いまだに違法ではなく、堂々と行われています。政治家がお金を配ることは禁止したのに、お金をもらうことは禁止しない。非常に政治家に都合のいいルールではないですか。

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筆者

落合貴之

落合貴之(おちあい・たかゆき) 立憲民主党衆院議員

1979年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。三井住友銀行行員、衆議院議員江田憲司秘書などを経て、2014年衆院議員初当選、現在2期目。衆議院経済産業委員会野党筆頭理事、党政調副会長など歴任。著書に『民政立国論 一人ひとりが目指し、挑み、切り拓く新世界』(白順社)

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