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デジタル広告はどう変わろうとしているのか

プライバシー保護に関心を!

塩原俊彦 高知大学准教授

プライベート・ブラウザとは何か

 やや脱線して、ブラウザとクッキーが連動している以上、どのブラウザを使うのが個人情報の保護という観点からお勧めなのかを論じてみよう。ちょうどいいことに、2021年3月31日付の「ニューヨーク・タイムズ電子版」に「プライバシーを気にするなら、新しいWebブラウザを試す時だ」という記事が公表されたので、これを参考にしてみたい。

 まず、世界中で利用されているブラウザのシェアをみると、下図に示されたように、近年、そのシェアは安定している。グーグルのChromeのシェアが6割強ともっとも高い。ついで、Safariが20%弱と比較的安定している。第三位以下には、Firefox、Edge、Samsung Internet、Operaなどがある。

 PCでもスマートフォンでも、これらのブラウザを使用する際、「プライベート・ブラウザ」を利用することができる。たとえば、グーグルのChrome で閲覧内容が記憶されないようにするには、シークレットモードでシークレットブラウジングを行う必要がある。iPhoneやiPod touchでは、「プライベートブラウズ」のオン/オフを切り替えるという作業がいる。

 名称に違いはあっても、これを利用できるように設定すれば、ユーザーの閲覧履歴を記録しないでブラウジングが可能となる。加えて、プライベート・ブラウザでは、ブラウザの拡張機能としてダウンロードできるトラッカー・ブロッカー(追跡遮断)を使用することもできる。このブロッカーは、ウェブサイトを読み込むたびに、ソフトウェアがこれらのトラッカーを検出し、サイトからサイトへとユーザーを追いかけていくのを制限する。ただし、この方法の大きな欠点は、トラッカーをブロックすると、ショッピングカートや動画などのウェブサイトの一部が破損することがある点だ。

 こうした個人情報の保護機能はChromeやSafariといった大手のブラウザでは、最初の標準設定(デフォルト)時に自動的に設定されているわけではなかった。そのため、何も知らないまま、多くのユーザーが個人情報を盗まれるという状態が放置されてきた。ただし、ブラウザのシェアの低いアップルのSafariは2017年9月以降、トラッキング防止機能(ITP)を搭載し、すでにサードパーティクッキーをブロックしている。なお、ファーストパーティクッキーについても厳しく制限されることに

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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