2021年05月24日
アカデミー作品賞などを受賞した、昨年の映画『パラサイト 半地下の家族』に続き、今年は『ミナリ』が世界を席巻した感じですね。
『ミナリ』で、アカデミー助演女優賞を受賞した韓国の女優、ユン・ヨジョンさん。
彼女の堂々とした英語でのスピーチは、「私は韓国人です」の堂々たるアイデンティティの主張から始まり、大胆にもブラッド・ピットに話しかけ会場全体を笑わすユーモアも登場しました。
「ノミネートされた他の女優さんと自分が違っていたのは、自分が少しラッキーだっただけ」。そして、「どうして自分がグレン・クローズと争うことができるのか。作品、役割の違う中、本当は競うことができないものだ」と、その場の俳優さんたちに敬意を示す謙虚さもあり、私は心を奪われました。
韓国では当然、空前の時の人となり、今度は、ユン・ヨジョンさんの栄光ストーリーがメディアを席巻しました。そのおかげで、私も彼女が13年ほどアメリカに住んでいたことを知り得たところです。
さて、いくら13年間アメリカで暮らしていたからといって、英語で、その場を掌握し、笑わせるスピーチは本当に大したものです。韓国に住んでよく思うことなんですが、韓国の人はユーモアのある表現がうまいなあということ。友人との会話でも、ちょくちょく入れてくるユーモアにゲラゲラ笑ってしまう。言い得て妙の比喩が上手です。特別意識しているわけではないので、そういう「文化」なんでしょうね。
大阪人もお笑いが好きなので、ちょくちょく、ギャグを入れた話し方をしますが、大阪のギャグって自虐ネタやシュールなギャグが多い感じがします。東京に住んでいる時に、そう思いました。韓国のちょくちょく面白い比喩を入れてくる感じと、大阪のギャグの感じ、ちょっと似てるなと思いました。そういう意味では、韓国のユーモアもジョークもアメリカンスタイルを彷彿させます。
また、「政治好き」の韓国だからでしょうか。スピーチの上手な人が多いなとも思います。韓国での子どもの学校生活を見ていて知りましたが、小学校の生徒会長を選ぶのにも、児童が本格的な選挙活動を繰り広げます。名前や公約を掲げたプラカードを作ったり、チラシを作ったり、応援団を組織したり、ホントびっくりです。
また、驚いたのが、みんなのウケを狙いにきているなと感じさせる公約。
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