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「ぼったくり男爵」のIOC :eスポーツとオリンピック/上

つぎの一手はeスポーツでの荒稼ぎ?

塩原俊彦 高知大学准教授

儲かるという予想

 他方で、この提言では、バーチャルスポーツもビデオゲームも儲かりそうだという見通しがはっきりと書かれている。

 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を通じて、ゲーム業界は成長を続けており、ゲーマー数は30%、ゲーム利用者数は75%増加し、ゲーム業界は2020年に1590億米ドルの規模になると推定されている」とか、「2020年には1590億米ドルになると推定されている」としたうえで、「この成長は、バーチャルスポーツにも反映されており、いくつかの国際競技連盟(IF)は、それぞれのスポーツのバーチャルな形態を活用して、若者層にアピールしている」とのべている。

 ついで、「いくつかのIFは、若者層を取り込むために、それぞれのスポーツのバーチャルな形態を活用し、独自のバーチャルな大会を開催している」として、IFによる既存路線を安直に認めたうえで、「IOCは、IFがそれぞれのスポーツのバーチャルな形態やシミュレーションの形態を開発するのを支援することで、これをさらに発展させることをめざしている」と平然と書いている。

 はっきりいえば、カネの儲かりそうな路線について、IOCはIFと協調しながら乗り出すと宣言しているのだ。「若者がビデオゲームやデジタルエンターテインメントに親しんでいることを考慮すると、バーチャルスポーツを通じてユニークなオリンピック商品や体験を生み出すことは、成長につながるだろう」という記述は、

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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