メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

【12】日本の民主主義も「中年危機」

このまま権威主義的な抑圧された国になってゆくしかないのか

塩原俊彦 高知大学准教授

世界でも広がる政治不信

 実は、世界の潮流をみても、政治不信が広がっていることがわかる。ラシマンは、「今ほど有権者が選挙で選ばれた政治家を忌み嫌い、信用しない時代はない」とはっきりと記している。筆者は授業で、「政治家を見たら泥棒と思え」と教えている。これは、ろくな仕事もせず、税金を泥棒しているという意味だが、何よりも「政治家に騙されるな」ということを強調するための警句として使っている。

 現代の民主主義の危機は、過去のまだ若い段階にあった民主主義が直面した危機と三つの点で異なっているとラシマンは指摘している。第一の違いは、

・・・ログインして読む
(残り:約3858文字/本文:約4886文字)


筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

塩原俊彦の記事

もっと見る