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政治改革がめざした二大政党は幻想で終わるのか~2021政治決戦 何が問われるのか①

未曽有の危機に陥った日本が総選挙で選択するものは……

星浩 政治ジャーナリスト

 新型コロナウイルスの感染に揺れ続ける日本は、この秋までに重大な選択を求められる。衆院議員の任期(4年)が10月21日には満了となるので、それまでには解散・総選挙がおこなわれるからだ。未曽有の危機に陥った日本は、この総選挙で何を選択するのか。政治制度や外交、経済政策を含めてシリーズ「2021政治決戦 何が問われるのか」で考察する。初回は、四半世紀前に実現した政治改革がめざした二大政党制が幻想で終わるのか、それとも復活するのか、その行方を探る。

拡大国会議事堂=2021年2月14日、東京・永田町

2回の政権交代後、圧勝を続ける自民党

 衆院に小選挙区比例代表並立制を導入する政治改革関連法案が成立したのが1994年。非自民の細川護熙連立政権だった。リクルート事件などへの反省からカネのかかる政治を改め、政策本位の政治、政権交代可能な二大政党政治をめざすという触れ込みだった。1996年に小選挙区制による初の総選挙が実施され、2000年、03年、05年、09年、12年、14年、17年と重ねられてきた。

 このうち09年は自民党から民主党(当時)へ、12年は民主党から自民党へと、それぞれ政権が交代した。政権交代が起きやすいと言われてきた小選挙区制の特色が表れたのである。

 しかし、その後は第2次i以降の安倍晋三政権のもと、国政選挙では自民党(公明党との連立は継続)の圧勝が続いた。野党の民主党は民進党と改名したり、希望の党に吸収されたりして、混迷が続いた。「二大政党は幻想だった」「自公政権は揺るがない」という声が政界だけでなく、経済界や言論界からも聞かれるようになってきた。

 しかし、コロナ危機への対応で安倍政権が迷走。健康問題も加わって安倍首相は退陣を余儀なくされた。20年9月に後継となった菅義偉首相は「たたき上げ」のイメージもあってか、当初は高い支持率を記録したが、効果的なコロナ対策を打ち出せず、経済の落ち込みも続いて、支持率は急落した。ちなみに、安倍氏が“抱きついて”パイプを築いた米国のトランプ大統領(共和党)は、民主党のバイデン氏に敗れた。米国では、二大政党制が機能していることが実証された。

拡大緊急事態宣言延長を決め、会見で記者の質問に答える菅義偉首相=2021年5月28日、首相官邸

立憲を中心に結集し始めた野党陣営

 一方、日本の野党陣営は、昨秋旗揚げした合同新党、立憲民主党を中心に結集し始めた。21年4月の衆参3選挙区の補選・再選挙では、立憲民主党候補2人と野党系候補が勝利、自民党は不戦敗を含めて全敗となった。野党が一本化すれば勝機があることが明確になった。自民対立憲民主という対立構図が見え始めてきた。

 秋までには必ずある総選挙では、この構図がさらに明確になって、二大政党制が復活するのか、それとも自公優位体制は存続するのか。有権者の判断が大きな注目点となってきたのである。

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筆者

星浩

星浩(ほし・ひろし) 政治ジャーナリスト

1955年福島県生まれ。79年、東京大学卒、朝日新聞入社。85年から政治部。首相官邸、外務省、自民党などを担当。ワシントン特派員、政治部デスク、オピニオン編集長などを経て特別編集委員。 2004-06年、東京大学大学院特任教授。16年に朝日新聞を退社、TBS系「NEWS23」キャスターを務める。主な著書に『自民党と戦後』『テレビ政治』『官房長官 側近の政治学』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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