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21世紀の日本が取り組むべき課題はこれだ!~成長信仰の幻想を断ち切る

国民生活を直接担保して保障する、公平で透明性の高い世の中への移行こそ

小川淳也 衆議院議員

人口減と高齢化に伴う「構造問題」が顕在化

 しかし、平成の世に入って以降、バブル崩壊や長引く景気低迷により、こうした前提は徐々に崩壊した。

 人口は2000年代前半から減少に転じ、平成の30年、経済はほぼ低成長、ないしマイナス成長。これは政策の失敗なのか、国民のマインドの問題なのか。もちろんそうした面もあるかもしれないが、本質的には人口減と高齢化という構造問題であり、掛け声や短期対策で解決する代物ではない。長期ビジョンに基づく、価値観の組み換え、そして政策面の構造的なアプローチが必須である。

 それは、生産と消費の拡大を本質とする経済成長を前提に、人々の暮らしを自己責任、自由放任のもとに置く考え方を改め、人々の生活を政府がダイレクトに保障するという、新たな理念と哲学の再構築でもある。

 政治は「経済成長」から「生活保障」へ、そのテーゼを大胆に切り替えるべきときを迎えている。

エネルギー・技術の革新で人口が急激に拡大

 ここで、上記の構造問題の根本にある人口の推移について、将来推計も含めて概観しておきたい(下図参照)。

拡大

 極端な人口増大期は、実は歴史上極めて少ない。平安時代まで遡っても、日本の総人口はおよそ800万人から1000万人程度であり、江戸時代までほぼこの水準のまま横ばいだった。

 江戸に入って天下泰平の世が訪れ、同時に農業技術の革新で生産力が高まったことで、江戸前期の人口は1600万人から3000万人台へと大幅に増大した。しかし、江戸中期以降、山がちな日本列島においては、農耕経済下でこれ以上の生産拡大は望めず、人口は3000万人台のまま飽和状態となり、江戸末期までその水準で推移することとなる。

 問題となるのは明治以降だ。政治体制の刷新とともに、イギリス発祥の産業革命に必死で適応を試みたのが明治維新の本質だ。富国強兵の号令のもと、化石燃料を掘り起こし、莫大な生産力を獲得する体制整備に力が注がれた。その結果、わずかその後百数十年で、人口は3000万人から1億2000万人へと、4倍に膨らませたのである。歴史的に極めて異例かつ異常な拡大膨張路線だったと言える。

 ただ、このあまりにも急激なこの上昇カーブは、日本のみの現象ではない。世界を見渡しても、産業革命以降同様の上昇曲線をどの国も描いている。つまり、この急拡大膨張路線は、産業革命によってもたらされた、エネルギーと技術の革新に依るところが大なのである。

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筆者

小川淳也

小川淳也(おがわ・じゅんや) 衆議院議員

1971年香川県高松市生まれ。衆議院議員5期目。立憲民主党・無所属フォーラム幹事長特別補佐。高松高校、東京大学法学部卒業。1994年自治省入省。沖縄県庁、自治体国際化協会ロンドン事務所、春日井市役所などを経て、2003年民主党より香川県第1区にて立候補するも惜敗。2005年初当選。2009年総務大臣政務官、2017年民進党役員室長。著書に『日本改革原案 2050年成熟国家への道』(光文社)

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