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21世紀の日本が取り組むべき課題はこれだ!~成長信仰の幻想を断ち切る

国民生活を直接担保して保障する、公平で透明性の高い世の中への移行こそ

小川淳也 衆議院議員

人口減少期に入った平成

 そして、ついに昭和末期から平成の30年、日本では人口増大が止まり、徐々に減少に向かった。そしてその減少スピードは加速の一途をたどっている。同時に進行する高齢化の影響もあり、経済の不拡大と成長率の低下が社会を一変させ、我々の頭を悩ませ続けた。大きな原因の一つは、依然、我々の頭の中が、人口増大、経済成長路線の幻想に支配されたままとなっていることにある。

 もし、人口が増え、経済が成長することに合わせて、地球が大きく成長するのであれば、むしろ何の問題もない。しかし、現実はそうはいかない。この地球上で養える人口と、維持できる経済には、資源、エネルギー、環境面の重大な制約があり、いよいよ日本と世界はその制約に直面したと言って良い。

 今後、正しく軌道修正を果たし、社会の「持続可能性」の回復を基調とした、新たな思想と哲学、そして経済・社会の仕組みを整える他に道はない。

 これこそが、21世紀に人類を挙げて、そして日本が先頭に立って取り組むべき、歴史的・文明史的転換点である。そして我々は、どこまでそれをはっきりと自覚しているかは別として、既にその入り口をくぐって久しい地点にいる。

拡大Pilotsevas/shutterstock.com

「脱成長時代」の政治と政策体系の根本とは

 人口と経済の拡大を前提とせず、定常化した人口、均衡化する経済を前提に、いかなる社会像を描くのか。そしてどのように具体的に地球環境と経済との調和や、国民生活の保障を図っていくのか。令和時代の最重要の政策課題となる。

 新たな時代の理念のもとでは、国民生活は政府によって直接保障されるべきであり、そうした枠組みへとパラダイムシフトが起きる。これがまさに「脱成長時代」の政治であり、政策体系の根本である。

 持続可能性を基調とする時代の政治は、これらを旨としつつ、公平かつ透明性が高く、信頼の厚い政治体制・政策体系として、新たに社会にインストールされねばならない。

日本の自己改革こそが世界の命運を握る

 遠い将来、この明治から戦後にかけての人口増大と、経済の膨張が、人類史上いかに異例かつ異常な時代だったかを、後に我々は振り返ることになる。そして目下のところ、この異常な時代の矛盾と苦しみを加速し、問題を深刻化・顕在化させているのが、ほかならぬ世界のコロナ禍である。

 現下のコロナ禍は、世界に“ポストコロナ”の経済・社会像を模索すべきことを強いている。成長信仰から脱却し、「GDP教」とも言うべき信仰の体系と決別し、国民生活を直接担保し、保障する政治を求めている。公平で透明性の高い社会に移行することを促している。まさにこの改革は、思想改革を含み、一種の宗教改革に近い。

 そして我々の日本列島は、成長拡大路線の行き詰まりという意味において、世界の最先端にある。ただ、韓国も昨年から人口減に転じたようであり、中国も来年から人口減に転じると言われている。これは世界のどの国もやがては免れることのできない、必然の路線なのだ。

 それだけに、この難問に、世界に先駆けて回答を見出すことができれば、日本は世界にとっての価値となる。

 世界が「成長の20世紀」から「持続可能性の21世紀」へと大きく進路転換しようとしつつある今、その先頭ランナーが紛れもない私たちの国日本であることを明確に自覚し、問題を定義しなおさなければならない。それは日本自身のためであると同時に、世界のためでもあり、日本の自己改革の可能性が、世界の命運を握る、とまで自覚を深めようではないか。

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筆者

小川淳也

小川淳也(おがわ・じゅんや) 衆議院議員

1971年香川県高松市生まれ。衆議院議員5期目。立憲民主党・無所属フォーラム幹事長特別補佐。高松高校、東京大学法学部卒業。1994年自治省入省。沖縄県庁、自治体国際化協会ロンドン事務所、春日井市役所などを経て、2003年民主党より香川県第1区にて立候補するも惜敗。2005年初当選。2009年総務大臣政務官、2017年民進党役員室長。著書に『日本改革原案 2050年成熟国家への道』(光文社)

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