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21世紀の日本が取り組むべき課題はこれだ!~成長信仰の幻想を断ち切る

国民生活を直接担保して保障する、公平で透明性の高い世の中への移行こそ

小川淳也 衆議院議員

日本と世界の21世紀の針路

 この議論の中で今後、大きな基軸となる二つの点を指摘し、本稿を終えたい。

 これまでは経済成長に伴って、全ての会社は売上を高め、人々は年々の賃金上昇の恩恵に浴し、生活向上を達成することができた。しかしこれからは、経済の拡大を前提とせず、地球環境との調和を旨とした「均衡経済」のもと、人々の暮らしの基盤を整えることに、これまで以上に政治が直接介入しなければならない。

 それは、子育てや医療、教育、福祉、介護などあらゆる社会サービスについて、サービスそのものの底上げを図り、人々の暮らしを自己責任から解放するものである。そしてそのサービスを無償ないし低廉・安価で、すべての人々に自由に開き、アクセスを容易にする社会を目指す。

 合わせて政府による生活保障は、より直接的な現金給付にも向かう。企業の自主的な賃上げに、国民生活の安心と将来設計をゆだねるのではなく、直接かつ普遍的な現金給付を通して、国民の最低生計保障を担保するのである。

 そして、これら現物・現金給付の抜本拡充は、莫大な国民負担を要する。私は、現下のコロナ禍による経済と暮らしの傷みを前提とすれば、消費減税や反緊縮、そして大規模な財政出動に賛成の立場である。しかし、それには残念ながら未来永劫に渡る「持続可能性」まではない。

 長期安定と持続可能性回復のために、こうした手厚い公的給付を実現し、それを賄う国民負担のあり方について、逃げず隠れず、真っ正面から議論する政治が求められる。こうした国民負担と公的給付の水準は、おそらく今後の政治と国民との「信頼強度」によって規定される。

 こうした思想改革、経済社会改革はとりもなおさず、政治改革に行き着く。政治と国民との「信頼強度」という関係性の改革に行き着くのだ。

 それは果てしない、極めてハードルの高い道のりかも知れない。しかし、アベノミクス、成長戦略、地方創生、一億総活躍と、数々並べ立てられて来た表層的なスローガンのむなしさに比べれば、遥かに芯を食った、構造的かつ本格的、本質的、長期的なアプローチになるに違いない。

 環境調和、均衡経済、公平で透明性の高い再分配、政治と国民との高い信頼強度、安心で信頼に持続可能な社会。

 これが、日本と世界の21世紀の針路である。

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筆者

小川淳也

小川淳也(おがわ・じゅんや) 衆議院議員

1971年香川県高松市生まれ。衆議院議員5期目。立憲民主党・無所属フォーラム幹事長特別補佐。高松高校、東京大学法学部卒業。1994年自治省入省。沖縄県庁、自治体国際化協会ロンドン事務所、春日井市役所などを経て、2003年民主党より香川県第1区にて立候補するも惜敗。2005年初当選。2009年総務大臣政務官、2017年民進党役員室長。著書に『日本改革原案 2050年成熟国家への道』(光文社)

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