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日本のランサムウェア対策の決定的な遅れ

閉鎖主義と事なかれ主義が心配

塩原俊彦 高知大学准教授

日本の無防備

 つぎに、ランサムウェア攻撃を撃退できずにいる日本の情けない状況を紹介したい。紹介した調査結果によると、図2に示されたように、日本への攻撃に対してデータ暗号化前に攻撃を阻止できた割合はわずか5%にすぎない。つまり、日本の防御は低レベルにとどまっていることになる。それは、トルコのように、攻撃の半分を阻止できている国に比べて、あまりに無防備な状態にあると言えるだろう。

拡大図2 データが暗号化される前に攻撃を阻止した各国別割合(%) (出所)The State of Ransomware 2020: Results of an independent study of 5,000 IT managers across 26 countries, A Sophos white paper May 2020, p. 7.

 ランサムウェアで受けた被害に対する修復コストをみると、国によって大きな差があることもわかっている。図3からわかるように、人件費の比較的高いスウェーデンと日本は、他の国よりもかなり高いコストが報告されている。だからこそ、日本はしっかりとランサムウェア対策を講じなければ

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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