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ハッキングされた上海公安部データ 垣間見えるデジタル・パノプティコン化する中国

監視社会の強化が加速する中国。主たる目的はウイグル人の監視?

井形彬 多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授・事務局長

 2021年4月1日、中国の上海公安部からリークされた「ウイグル人テロリスト」と名付けられたデータベースに、訪中していた外国人の個人情報が掲載されていたとするオーストラリア放送協会(ABC)の報道イギリスのテレグラフ紙の報道が行われた。2020年12月に上海公安部のサーバーからアクティビストが入手したとされるこのデータベースには、オーストラリア人161名、イギリス人150名が掲載されていたと両社から報道されている。

900人近い日本人のデータも掲載

 また、6月9日には朝日新聞も、このデータベースに日本人895名のデータが掲載されており、日本政府もこの個人情報が本人のものであることを確認したと報道した。(朝日新聞DIGITAL「上海市当局、ウイグルで「監視リスト」日本人も895人」

 このデータは入手したアクティビストから「internet 2.0」と呼ばれるオーストラリアのサイバーセキュリティ会社に手渡され、同社がそのデータの信憑(しんぴょう)性を確認している。また、ABC、テレグラフ、朝日新聞による取材を通じて、リストに掲載されていた外国人が実際にその時期に訪中しており、また掲載されていた情報で確認できた部分に関しては正確な情報であることが確認されている。

 上海公安部の持つ「ウイグル人テロリスト」と名付けられたデータベースになぜ、900人近い日本人のデータが掲載されているのか。また、そもそもこのデータベースの目的は何なのか。そして、これは中国の「監視社会化」に向けた動きとどう連動しているのか。

 筆者は「internet 2.0」社からこのデータベースへのアクセス権を特別に付与してもらい、分析に当たった。

拡大Arthimedes/shutterstock.com

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筆者

井形彬

井形彬(いがた・あきら) 多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授・事務局長

米国シンクタンクのパシフィック・フォーラムSenior Adjunct Fellowや、国際議員連盟の「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」経済安保政策アドバイザーを兼務。その他様々な立場から日本の政府、省庁、民間企業に対してアドバイスを行う。専門は、経済安全保障、インド太平洋における国際政治、日本の外交・安全保障政策、日米関係。

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