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政治だけではない中国共産党の経済問題

東南アジアにおける華人支配

塩原俊彦 高知大学准教授

「ブミプトラ」のマレーシア

 マレーシア政府は「土着の民」、「ブミプトラ」と呼ばれるマレー系住民を優遇する制度を1971年から導入した。20年間にわたる「新経済政策(NEP)」を導入、人種に関係なく貧困を撲滅し、社会を再構築することで、マレー系住民の多いブミプトラと中国系住民の多い非ブミプテラの間で民族間の経済的平準化を図り、国民統合を実現しようするものであった。政治的には、マレーシア最大の政党で、与党連合の国民戦線(BN)の中核をなすマレー人政党、統一マレー国民組織(UMNO)の総裁が1957年にイギリスから独立して以来、首相を務めてきた。

 1981年に首相に就任したマハティール・ビン・モハマドは、「マレー系資本家と中国系資本家の間に公平性を持たせるために、国家はマレー系資本主義を推進する義務がある」との立場から、ブミプトラによるコネで支配された大企業グループを数多く誕生させた(Political Business in East Asia, Edited by Edmund Terence Gomez, Routledge , 2002を参照)。

 2003年に退陣したマハティール以後、2009年にナジブ・ラザクが首相に就任すると、1974年に中国と国交を樹立した父アブドゥル・ラザクの影響下で、ナジブは親中政策をとる。この結果、親中か否かが政治的な争点と

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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