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東京都議選の衝撃 衆院解散総選挙への影響は?~菅首相の戦略に狂いが…

自民伸びず。野党共闘に成果。劣勢をはねのけた都民ファースト。薄氷の勝利の公明党。

大濱﨑卓真 選挙コンサルタント

 衆院選の前哨戦とも言われ、関心を集めていた東京都議会議員選挙。自民党は33議席を獲得してかろうじて都議会第一党を確保、都議会第二党は僅差で都民ファーストの会(31議席)が死守、公明党は苦戦が伝えられるなか、なんとか全議席を死守し(23議席)、共産(19議席)や立憲民主(15議席)は議席をやや増やすという結果で終わりました。

 この結果をどう見るべきか。秋にはある衆議院の解散・総選挙にどんな影響を与えるのか。選挙コンサルタントとして論じたいと思います。

拡大都議選の開票が進むなか、自民党本部の開票センターであいさつする二階俊博幹事長。右は鴨下一郎・東京都連会長=2021年7月4日、東京・永田町

自民党が犯した選挙戦略のミス

 都議選の結果、都議会第一党を確保したのは自民党でした。ただし、大方の予想よりも伸び悩み、この結果を「自民党の勝利」と受け取る人は少ないでしょう。事実、自民党は60人もの候補者を擁立しましたが、当選は33人と勝率は半分程度です。

 自民党は、前回の都議選で落選した元職を中心に候補者を擁立したほか、定数7や8の選挙区では候補者を3人擁立するなど、かなり積極的に候補者を立てました。都議選告示前の調査では、自民党候補者が50議席台を確保するのではとの楽観論もありましたが、蓋を開けてみれば、こういった選挙区では概ね厳しい結果(大田区では3人中2人落選、練馬区では3人中1人落選)が出ました。いずれも候補者を調整していれば、このような結果にはなっていなかったことでしょう。

 中野区や豊島区といった激戦区では、結果的に議席を取れませんでした。当初は公明党も超重点区としていた選挙区ではありましたが、立憲民主党が一定の力を発揮した形です。野党共闘が成立した選挙区などで、自民党が後塵を拝することになったのは、やはり都民ファーストの会の躍進によるものでしょう。

 自民党がここまでの積極的な候補者擁立をせず、もう少し合理的に候補者を擁立できていれば、小池都知事の入退院などの一連の出来事があっても、さらに3議席(目黒、大田、品川)では確実に上乗せできたでしょう。

 たった3議席と思うかも知れませんが、今回の結果で自民党と都民ファーストの会との差は2議席。無所属で当選した候補者が2人、都民ファーストの会に入れば、都議会第一党はまだ分からない情勢です。合理的な候補者擁立をできなかったことは、大きなミスといえるでしょう。

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筆者

大濱﨑卓真

大濱﨑卓真(おおはまざき・たくま) 選挙コンサルタント

1988年生まれ。青山学院大学経営学部中退。2010年に選挙コンサルティングのジャッグジャパン株式会社を設立、現在代表取締役。衆参国政選挙や首長選挙をはじめ、日本全国の選挙に与野党問わず関わるほか、「選挙を科学する」をテーマとした選挙に関する研究も行う。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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