メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

世界に広がる「デジタル政党」のいま

技術の進歩に見合ったデジタル民主主義の実践を進めよ

塩原俊彦 高知大学准教授

注目される三つの「デジタル政党」

 この報告書が公表された2017年2月の時点で、各国でどのようなデジタル民主主義の実現に向けた動きがあったかを示したのが下図である。とくに注目されるのが黒色で囲まれた三つの「デジタル政党」だ。そこでここでは、(1)アイスランドの海賊党、(2)スペインのポデモス(Podemos)、(3)イタリアの五つ星運動(M5S)について詳しく紹介したい。

(1)アイスランドの海賊党 (②、③、④、⑥、⑨に該当)

 北欧を中心に情報の自由と著作権の改革に関する活動で国際的なネットワークを構築している海賊党だが、アイスランドの海賊党はより広範な社会問題を議論する努力をしていることが特徴だ。インターネット活動家たちによって2012年に設立され、2008年から2009年にかけての金融・政治危機による既存政治家への政治不信から、反体制的なスタンスを採用し、2016年10月、同党は約15%の得票率と63議席中10議席を獲得した。ただ、新政権の連立政権に加わることはできなかった。

 中核となる政策には、「プライバシーの権利」「透明性と責任」「情報と表現の自由」「直接民主主義」「自己決定権」が含まれている。2013年に、プラットフォーム「x.piratar.is」が創設され、海賊党の政策が議論・承認されている。

(2)スペインのポデモス(Podemos)(②、③、⑦、⑨に該当)

 2011年の一連の政治スキャンダルをきっかけに、「15M運動」(「インディグナドス」として知られている)が起き、これが

・・・ログインして読む
(残り:約3012文字/本文:約5844文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

塩原俊彦の記事

もっと見る