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怒号は放置ですか? 「表現の不自由展」めぐる警察の矛盾

自由への妨害を許さないのが《公》の役割のはず

志田陽子 武蔵野美術大学 造形学部教授(憲法、芸術関連法)

妨害を防ぐのが《公》の役割だが

 各地の実行委員会は、企画展を継続する意思を明らかにしている。

 一連の企画展は、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で抗議が殺到した企画展「表現の不自由展・その後」を再構成した内容だというが、このような状況であるため、筆者はどの企画展も見ることができずにいる。

 この問題は、新聞各紙でも大きく取り上げられている。

 筆者も、朝日新聞の以下の記事にコメントを提供した。「表現の自由」には批判の自由が含まれるにしても、このような妨害行為は「批判」とは異なる暴力であって、「表現の自由」によって擁護しようのないものだ、というのが筆者の見解である(「政争の具」危機感 混迷の「表現の不自由展」に作家は=2021年7月6日、朝日新聞デジタル)。

 「表現の自由」で擁護しようのない妨害行為によって、本来予定されている行事が継続不能に追い込まれているというとき、この妨害を止めて本来の行事の進行を守るのが《公》の仕事である。今回クローズアップされた「公の施設」も、警察も、それぞれの立場でその職責を担っている。

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筆者

志田陽子

志田陽子(しだ・ようこ) 武蔵野美術大学 造形学部教授(憲法、芸術関連法)

武蔵野美術大学 造形学部教授(憲法、芸術関連法)。早稲田大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(法学・論文博士・早稲田大学)。「表現の自由」、文化的衝突をめぐる憲法問題を研究課題としている。また、音楽ライブ&トーク「歌でつなぐ憲法の話」など、映画、音楽、美術から憲法を考えるステージ活動を行っている。 主著『「表現の自由」の明日へ』(大月書店2018年)、『合格水準 教職のための憲法』(法律文化社2017年)、『表現者のための憲法入門』(武蔵野美術大学出版局2015年)、『あたらしい表現活動と法』(武蔵野美術大学出版局2018年)、『映画で学ぶ憲法』(編著)(法律文化社2014年)、『文化戦争と憲法理論』(法律文化社2006年、博士論文)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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