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共産党が入閣することは現実的に難しい。しかし・・・

「政策ごとのパーシャルな連携」という方針は合理的だ

平河エリ ライター

 共産党の選挙公約から「日米安保破棄」が削除される。共産党の穏健化・中道左派化はこの数年、著しく進んでいる。これは、野党間の選挙協力において大きな前進となるだろう(「共産『日米安保廃棄』政権公約から除外へ」朝日新聞デジタル2021年7月9日付)。

 この公約修正は共産党が求める「野党連合政権」を見据えての動きと無縁ではない。共産党の志位和夫委員長は、自衛隊の廃止など、立憲民主党との一致点になりえない政策については、政権にいる間は持ち出さず、内閣としては自衛隊などの存在は許容するとしている。

 2020年に出された「野党連合政権にのぞむ日本共産党の基本的立場」という共産党の文書でも、「かりに『閣内協力』となった場合には、わが党から入閣した閣僚は、自衛隊、日米安保、天皇の制度などの諸問題で、政府の統一した立場に従った行動をとることは当然です」と書かれており、党の綱領と異なる内容であっても、内閣の方針に従うという立場を明らかにしている。

 一方で、野党第一党である立憲民主党の枝野幸男代表は「連立政権は考えていない」と答えている(「『共産との連立政権考えていない』 立憲・枝野氏が表明」2021年6月17日付)。

 筆者自身は、枝野代表と同じく、共産党との「閣外協力」は可能にせよ、「連立内閣(閣内協力)」は現実的に不可能であると考えている。本稿では、共産党が入閣することが現実的に難しい理由について解説する。

拡大東京都議選での第一声を終え、記者の取材に応じる共産党の志位和夫委員長=2021年6月25日、東京都新宿区

社民党福島大臣は自衛隊の合憲性についてどう答弁したか

 歴史を遡る。2009年に成立した民主党政権は、実際は民主党・社民党・国民新党の「民社国連立」としてスタートし、後に社民党が離脱することで「民国連立」となった。

 当時、社民党からは福島みずほ党首が内閣府特命担当大臣(消費者担当・少子化担当・男女共同参画担当)として入閣したが、自衛隊の合憲性について執拗に自民党から追求された。例えば、参議院予算委員会(平成21年11月10日・一部抜粋)を見てみよう。

佐藤正久議員
 福島大臣、社会民主党の宣言の中で自衛隊は明らかな違憲状態だとあります。どの部分が明らかなんでしょうか。
 
福島みずほ大臣
 例えばイラクに、当時、社民党宣言を作ったときに、当時イラクにまで自衛隊が行っていることが、社民党は専守防衛で自衛隊はやるべきであるというふうに考えており、問題があると考えておりました。(発言する者あり)
 
佐藤正久議員
 どこが明らかな違憲、明らかなと、そこを聞いています。
 
福島みずほ大臣
 自衛隊は専守防衛であるべきだと考えております。ですから、海外にまで行くことは問題があるというふうに考えております。
 
佐藤正久議員
 今のは憲法違反かどうかという中のくだりの中で明らかなです。全然答えになっていません。もう一度お願いします。どこが憲法違反なんですか。どこが憲法違反かと、明らかな。
 
福島みずほ大臣
 社民党は自衛隊は専守防衛であるべきだというふうに考えておりまして、海外にまで行っていることは問題だと考えておりました。それが社民党宣言です。(発言する者あり)

 ここで佐藤議員が追求している「社民党宣言」において、自衛隊の存在は下記のように記載されている。

 現状、明らかに違憲状態にある自衛隊は縮小を図り、国境警備・災害救助・国際協力などの任務別組織に改編・解消して非武装の日本を目指します。また日米安全保障条約は、最終的に平和友好条約へと転換させ、在日米軍基地の整理・縮小・撤去を進めます。

 結局福島大臣は自衛隊の合憲性について明言を避け、「合憲」と認めたのは翌年3月の参議院予算委員会(平成22年3月23日・予算委員会)のことだった。

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筆者

平河エリ

平河エリ(ひらかわ・えり) ライター

早稲田大学卒。ブログ「読む国会」を主宰。議会政治・選挙・公共政策などを専門分野として、WEZZY、現代ビジネス、ハーバー・ビジネス・オンラインなど各種媒体に執筆。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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