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【14】三菱電機と菅政権 依然として日本にはびこる集団主義

主体性の欠如が支える、その腐敗構造

塩原俊彦 高知大学准教授

「三菱電機=ニッポン」?

 この連載で何度も指摘したように、国家と企業は同調性をもっている(「ニッポン不全 【10】国の遅れは企業の遅れ」を参照)。そう考えると、鉄道車両向け空調機器の製造過程で、長年にわたって出荷前に必要な検査を怠ったり架空のデータを記入したりしていた三菱電機をみれば、日本の集団主義が「悪い方向」に長年にわたって継続してきたことがよくわかるのではないか。

 2021年6月29日、独自ネタとして、朝日新聞デジタルは「三菱電機が性能検査で偽装 鉄道用空調、30年以上か」という記事を報道した。「三菱電機が、鉄道車両用の空調設備を出荷する際、架空のデータを用いて検査を適正に実施したように装っていたことがわかった」という

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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