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地政学からみた中央アジア5カ国

建国30周年を迎える各国の動向は

塩原俊彦 高知大学准教授

中央アジアをめぐる複雑な国際関係

 過去の歴史だけでなく、現在の複雑な国際関係についても理解する必要がある。それを示したのが「図 中央アジア・コーカサス等の地域機構・枠組」だ。ロシアは、独立国家共同体(CIS)を通じて、旧ソ連構成共和国をロシアの影響力のもとに置こうとしてきた。だが、中央アジア5カ国のうち、トルクメニスタンは準加盟国にとどまっている。安全保障を担うCIS集団安全保障条約機構(CSTO)については、中央アジア5カ国中、カザフスタン、キルギス、タジキスタンが加盟しているだけだ(当初加盟国のウズベキスタンは離脱後、2006年復帰したが、2012年に再び離脱)。同じく、ロシアが主導する経済面での連合体、ユーラシア経済連合(EAEU[図では同盟])には、カザフスタンとキルギスが加盟するだけで、ウズベキスタンがオブザーバーとなっているにすぎない(ウズベキスタンは2020年12月にEAEUのオブザーバーになった)。

拡大図 中央アジア・コーカサス等の地域機構・枠組
(出所)https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/europe/ca_kiko/index.html

(注1)上記の他、オブザーバー国及び対話パートナーは以下のとおり。
オブザーバー国:アフガニスタン、イラン、ベラルーシ、モンゴル

対話パートナー:アゼルバイジャン、アルメニア、カンボジア、スリランカ、トルコ、ネパール
(注2)上記の他、オブザーバー国は以下のとおり。
オブザーバー国:ウズベキスタン、キューバ
(注3)上記の他、加盟国、オブザーバー国及び国際機関は以下のとおり。
加盟国:アラブ首長国連邦、イスラエル、イラク、エジプト、カタール、韓国、カンボジア、スリランカ、タイ、バーレーン、パレスチナ、バングラデシュ、ベトナム、ヨルダン
オブザーバー国:アメリカ、インドネシア、ウクライナ、日本、フィリピン、ベラルーシ、マレーシア、ラオス
国際機関:アラブ連盟、欧州安全保障協力機構、国際移住機関、国連、テュルク語諸国協力評議会
(注4)ウクライナは2014年3月CIS脱退を宣言。2018年4月CIS脱退に関する大統領令に署名。
(注5)ウズベキスタンは2005年GUAM(当時はGUUAM)から脱退。2008年ユーラシア経済共同体(EAEUの前身)加盟を停止。2012年CSTO活動参加停止を決定。
(注6)ジョージアは2008年8月CIS脱退を通告。1年後の2009年8月正式脱退。2016年10月CARECに加盟。
(注7)トルクメニスタンは2005年にCISを脱退して準加盟国になり、2009年にECOの正式加盟国から準加盟国になった。
(注8)インド、パキスタンは2015年7月SCO加盟手続開始で合意。2017年6月正式加盟。
(注9)アフガニスタン(およびセルビア)はCSTO議会会議のオブザーバー。

 これに対して、中国がロシアと並んで主導する上海協力機構(SCO)には、

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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