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野党第一党のどこが悪いのか、どうしたらよいのか

「がんばれ、立憲民主党」 アンケートに示された1009人の声【上】

橘 民義 映画制作プロデューサー

 枝野幸男が「立憲民主党はあなたです」と言って1人立ちあがってから4年が過ぎようとしている。本人曰く、「当選者は5人か10人だろうと思ったのに、選挙が終わってみると55人もいて野党第一党になってしまった」と。小池百合子に排除された者ばっかりの集まりなので、ひねくれ者ばかりかというと実はそうでない。排除はむしろ政治家としての勲章だったのである。

 枝野にしてみれば個人保証してまで借金をし、新党を立ち上げたからにはもう一歩も引けないのだが、そんなことより何よりも日本の政治がこれ以上沈没、空洞化、腐敗しないように、政治家として政権をとるしかないと思ったはずだ。「まっとうな政治」を志した立憲民主党には、まっとうな応援団がついてくれたのが強みだった。

拡大結党会見後、「立憲民主党」と書かれたプレートを掲げる枝野幸男氏=2017年10月2日、東京都千代田区

このままでは日本が沈没する

 しかし最近はどうだろうか。世論調査による政党支持率は自民党がいつも30%以上。対して、立憲民主党は6%前後だ。菅内閣の支持率が28%に下がっても立憲民主党の支持率は上がらない。「あなたは次の選挙でどこの政党に投票しますか」、という問いに対しても、常時自民党の半分くらいで低迷している。「なぜだ」、「なんとかならないのか」と焦る声も聞こえるが、メディアの扱いもどことなく冷たく、ネット上では叩かれっぱなしだ。「枝野立て」、といった声が、いつの間にか「女性の代表に代われ」とか「小沢一郎の出番だ」など外野席の声は乱暴だ。本当に何故なんだろう。枝野幸男一人が悪いのか。 4年前の秋葉原の枝野演説に涙を流したまっとうな応援団はいま何を考えているのだろうか。

 それが聞きたくなった。もし心が離れているなら、もう一度それを取り戻せるのだろうか。よし思い切って聞いて見よう。そこでカタログハウス代表の斎藤駿、環境工学研究所会長の玉川福和、そして私の3人は「がんばれ立憲民主党の会」を立ち上げてアンケートを作成し、4年前に立憲民主党を支持された方々2181人に送付した。何が悪いのか、どうしたらよいのか。そうしないと本当に日本は沈没してしまう。

 突然このような手紙を送る不躾をお許しください。皆様のお名前とご住所は2017年、2018年、2019年の総務省がホームページに公表した立憲民主党の「政治資金報告書」から拝見させていただきました。

 さて、私たち3人は、立憲民主党をその誕生時(17年)から応援してきた者です。今年は衆議院選挙も有り是非とも立憲民主党には飛躍して欲しいと思っています。しかし現在の立憲民主党には原発政策、政権構想などに歯切れの悪いところを感じて、これが立憲民主党かよと落胆する日もあります。

 迫ってきた「衆議院総選挙」は新型コロナ対策の失敗で国民から見放されそうな自民党政権にとって代わる千載一遇のチャンスだというのに、まだまだ多くの人がその舟に乗ろうと言う気持ちになってないように思われます。私達3人は、今の様子だと無党派層の受け皿にはなれないぞ、政権交代は実現できないぞ、と焦っていますが、皆様は立憲民主党の現状をどのようにお考えでしょうか。
 ついては皆様のその気持ちを掬い取って現執行部に呈示し、立憲民主党が呼応して動き出しやすくなることを願い、そのためのアンケートを下記の要領で実施し、枝野代表を含む執行部に提示することにしました。

 以上、アンケートへのご回答、ご回収にご協力をお願いします。

がんばれ立憲民主党の会
 斎藤駿 (カタログハウス取締役相談役)
 玉川福和 (環境工学研究所会長)
 橘民義 (映画『太陽の蓋』製作プロデューサー)

 これがアンケートのお願いの文章だが、アンケートの宛先となったのは立憲民主党ができた2017年そして18年、19年に政治資金として立憲民主党にカンパをした人たちで、政治資金収支報告書という政党からの報告を総務省がホームページ上で公開している方々だ。

 もちろんこっそり手に入れたものではないが、いくら公開されている方であったとしても、そして立憲民主党を応援していることはわかっていたとしても、その名簿にアンケート送っていいのかという論議はあった。ただその方々も結党当時、立憲民主党に大きな期待を持ってカンパをしたのだがこのところの立憲民主党に不満が有りはしないだろうか、何か言いたいことがあるのだが言う機会がなくてイライラしていないか、そんな予測が立つ中での思い切った実行だった。


筆者

橘 民義

橘 民義(たちばな・たみよし) 映画制作プロデューサー

1951年生まれ。早稲田大学理工学部卒業。1987年から岡山県議会議員3期(社会民主連合公認)。自ら起業したポールトゥウィン・ピットクルーHD株式会社(東証一部)代表取締役。映画「太陽の蓋」製作プロデューサー、「がんばれ立憲民主党の会」共同代表。著書に『民主党10年史』

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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