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「タリバン2.0」がおよぼす地政学的影響

米国が主導し欧州がつづくというNATOのあり方にも疑問符

塩原俊彦 高知大学准教授

各国行脚の「タリバン2.0」

 その兆しの一つは、このところタリバンは複数の外国訪問を実施し、国際関係の改善に取り組んできたことである。ムラー・アブドゥル・ガニ・バラダル師を代表とするタリバン代表団は2020年12月にパキスタン、2021年1月にイラン、2月にトルクメニスタンを訪問した。パキスタンやイランへの訪問は2020年9月からドーハでスタートしたアフガン和平交渉の停滞について協議するためであったとみられる。

拡大タリバンの政治部門トップ、バラダル幹部(中央)=2020年2月29日、ドーハ

 2月の訪問では、タリバンは、①トルクメニスタン-アフガニスタン-パキスタン-インド(TAPI)を結ぶ天然ガスパイプライン、②トルクメニスタン-アフガニスタン-パキスタン(TAP)高圧電線の建設、③トルクメニスタン-アフガニスタン-タジキスタン(TAT)鉄道のうち、アフガニスタンとトルクメニスタンとの部分の建設――という三つの経済プロジェクトについて協議したとみられている(資料を参照)。その結果については不明だが、タリバン側がイスラム首長国建国後をにらんでトルクメニスタンの協力・支援を求めたとみて間違いな

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筆者

塩原俊彦

塩原俊彦(しおばら・としひこ) 高知大学准教授

1956年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。学術博士(北海道大学)。元朝日新聞モスクワ特派員。著書に、『ロシアの軍需産業』(岩波書店)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(同)、『パイプラインの政治経済学』(法政大学出版局)、『ウクライナ・ゲート』(社会評論社)、『ウクライナ2.0』(同)、『官僚の世界史』(同)、『探求・インターネット社会』(丸善)、『ビジネス・エシックス』(講談社)、『民意と政治の断絶はなぜ起きた』(ポプラ社)、『なぜ官僚は腐敗するのか』(潮出版社)、The Anti-Corruption Polices(Maruzen Planet)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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