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過去最悪規模の人道危機にあるアフガニスタンで日本が今するべきこと

「アフガニスタンの人たちを見捨てない」というメッセージを体現することが重要

小美野剛 ジャパン・プラットフォーム共同代表理事 CWS Japan事務局長

過去最悪規模の人道危機

 とはいえ、不平等な富の分配や深刻な貧困でアフガニスタンの社会は依然、脆弱性が極めて高く、干ばつなどの自然災害があれば、大きな影響を受ける。また、国民の多くが農業従事者で、気候変動などの環境変化にも対応できていない。さらに、紛争により今年だけで約60万人が家を追われた。

 医療サービスなどの継続も大きな課題だ。アフガニスタンの医療システムは、世界銀行、米国国際開発庁、欧州連合等によって資金が手当てされ、小さなクリニックから手術入院できる病院まで一つの仕組みとして機能してきた。それへの資金フローが止まると医療サービスも停滞する。薬などの物資は届かず、職員の給料も支払われず、最終的には医療を受ける必要のある一人一人のアフガン人が被害を受ける。

 アフガニスタンでは現在、国民総人口4000万人強の半数近くの1840万人が、人道支援を必要としている。過去最悪規模の人道危機といっていい。

 そのうち1400万人は深刻な食糧危機に陥っている。

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筆者

小美野剛

小美野剛(こみの・たけし) ジャパン・プラットフォーム共同代表理事 CWS Japan事務局長

1980年生まれ。特定非営利活動法人CWS Japan事務局長及び認定NPOジャパン・プラットフォーム共同代表理事。アジア防災緊急対応ネットワーク(ADRRN)理事兼事務局長、防災・減災日本CSOネットワーク(JCC-DRR)共同事務局、支援の質とアカウンタビリティ向上ネットワーク(JQAN)代表などを兼務。アフガニスタン、パキスタン、ミャンマー、タイなどの現場を経て東日本大震災から日本の事業も開始した。同志社大卒業、ブランダイス大学大学院開発学修士。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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