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河野太郎氏スクープ撮影~「お忍び」視察で見せた機知、米機密エリアでミサイル確認か

総裁選での控えめすぎる安全保障への発言、実は胸中に秘策あり?

谷田邦一 ジャーナリスト、シンクタンク研究員

京都・舞鶴の海自視察での型破りな行動

 夏の盛りの昨年8月2日のこと。防衛相だった河野氏は、京都府舞鶴市にある海上自衛隊舞鶴総監部を視察先に選んだ。

 防衛省は、日常の部隊視察のひとつとして、視察日程を事前に発表していたが、公表された日程とは別に、大臣自身には、人に知られず自分の目で確かめたい対象があったようだ。「ようだ」と書かざるをえないのは、今もって河野氏が実際にそれを見たかどうか、本人も防衛省も明らかにしないからだ。

拡大護衛艦がずらりと係留されている海上自衛隊舞鶴基地の北吸桟橋=京都平和委員会提供
 河野氏は午前9時ごろ、舞鶴総監部に到着。敷地内で隊員たちを前に型通りの栄誉礼を行った後、突然、公用車に乗り込んで総監部から出て行ってしまった。大臣の舞鶴視察といえば、岸壁に係留されたイージス艦など護衛艦部隊を真っ先に訪ね、乗員たちを激励するのが通例。しかし河野氏がとった行動は型破りだった。

 行先は報道機関の記者たちには告げらなかった。しかし筆者は「きっと弾薬庫を視察するに違いない」と踏んでいた。地元の市民団体のメンバーと手分けして後を追った。すると想像通り、河野氏の車列は、総監部からそう遠くない「舞鶴弾薬整備補給所」と呼ばれる広大な弾薬庫地区の敷地内へと消えていった。

秘密裏に視察したものは――地元では「米施設」存在の噂

 防衛相が隠密裏に視察しなければならないものが、そこにあるとすればいったい何なのか?

 海上自衛隊には全国に5つの地方総監部、10の航空基地があり、それぞれ一定規模の弾薬庫を備えている。厳重な警備のもと、艦艇や航空機に積む砲弾や魚雷、ミサイルなどが大量に保管されている。旧海軍から受け継いだ舞鶴基地の弾薬補給所は複数の建屋群から成り、若狭湾の入り組んだ入り江や山々が折り重なる沿岸部の奥深いところに点在している。

 舞鶴市の地元では、数年前から、この広大な弾薬庫地区の建物群の中に米軍関連の施設があるのではないかとの噂が出回っていた。

存在否定してきた海自、住民が資料入手

 それまでは同市や市議会の問い合わせに対し、海上自衛隊は「基地内に米軍の専用施設はない」としていた。

 やがて基地の監視活動をしている市民団体「京都平和委員会」が、舞鶴弾薬補給所の敷地内にある建屋に、米軍関係者だけが使用を認められる区画があることを示す英文の資料を入手した。

拡大舞鶴弾薬整備補給所の敷地内にある誘導弾整備場の屋内の図面。米軍関係者だけが利用できることを示す区画「US Only Area(SM3)」が記載されている

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筆者

谷田邦一

谷田邦一(たにだ・くにいち) ジャーナリスト、シンクタンク研究員

1959年生まれ。90年、朝日新聞社入社。社会部、那覇支局、論説委員、編集委員、長崎総局長などを経て、2021年5月に退社。現在は未来工学研究所(東京)のシニア研究員(非常勤)。主要国の防衛政策から基地問題、軍用技術まで幅広く外交・防衛問題全般に関心がある。防衛大学校と防衛研究所で習得した専門知識を生かし、安全保障問題の新しいアプローチ方法を模索中。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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