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河野太郎氏スクープ撮影~「お忍び」視察で見せた機知、米機密エリアでミサイル確認か

総裁選での控えめすぎる安全保障への発言、実は胸中に秘策あり?

谷田邦一 ジャーナリスト、シンクタンク研究員

「US Only Area」と記載 明白な米軍専用ミサイル区画

 資料には、建屋内に「US Only Area(USOA)」と書かれた区画があり、米軍関係者だけに使用が認められていると記されている。広さは約180平方㍍。ほかにも建屋内には「Test Control Room」「Missile Test Cells」など、ミサイルの各種試験にからむ区画があるようだ。

 同平和委員会の片岡明理事長によると、資料は「建屋内で働く民間警備員を、米海軍の工兵部門が公募した際に公開した文書」の中にあった。自衛隊の弾薬庫の中に、米軍関係者だけのためのスペースがあることは明白だった。しかし防衛省や海上自衛隊はそうした事実を認めてこなかった。

「地元に情報出さず米国の言いなりの政府」

 片岡氏は「事故などの不安があるのに、政府は地元住民や自治体に必要な情報を提供していない。武器の購入から運用まで米国の言いなりになっているのは問題だ」と話す。

 こうした背景を筆者が知ったのは昨年の初め。さっそく防衛省に確かめてみた。河野氏が舞鶴を視察する半年ほど前のことだ。

 すると米軍関係者専用の区画があるこの建屋は、同省が2012年に建てた「誘導弾整備場」で、広さが約2300平方㍍(約700坪)もある施設とわかった。イージス艦などの護衛艦に搭載する米国製のミサイルを、ここに持ち込んで整備・点検することが目的。ミサイル自体が高度なハイテク技術の塊なので、機密の技術情報が漏れ出たり盗まれたりしないよう厳重な保全措置が取る必要があり、厳重な構造になっているという。

防爆壁が囲う巨大建屋―トップシークレットの迎撃ミサイル保管か

拡大入江に面した沿岸部に建つ誘導弾整備場の全景=京都平和委員会提供
 実際に舞鶴に足を運んでみた。すると小高い山の上からやっと見下ろせる入り江わきに、巨大な建屋がひっそりたっていた。周囲の山肌に溶け込むように外壁は緑色。窓が1つもなく、高さ約11㍍もある防爆壁で囲われた異様な外観だった。万一、弾薬などが爆発した時に影響が出ないための保安設備のようだ。

拡大新型迎撃ミサイル「SM3ブロックⅡA」=米ミサイル防衛庁のウェブサイトから
 2隻のイージス艦を配備する舞鶴基地は、北朝鮮からのミサイル発射を警戒するミサイル防衛の重要拠点。対米配慮が必要なものが保管されるとすれば、それは高度化する北朝鮮の弾道ミサイル開発に合わせ、日米両政府が共同開発した最新の迎撃ミサイル(SM3ブロックⅡA)しか考えられない。本来はイージス艦に載せるためのものだが、陸上配備型のイージス・アショアも同じミサイルを使うことになっていた。

 同ミサイルは、2018年に米議会が日本への売却を承認。すでに日本への供与が始まっていたが、どこに保管先されるのかは今も秘匿されたままだ。弾薬庫にどんな種類の武器・弾薬類が保管されているかは、どの国でもトップシークレットあたり、日本も例外ではない。

 さて河野氏の行動に話を戻そう。

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筆者

谷田邦一

谷田邦一(たにだ・くにいち) ジャーナリスト、シンクタンク研究員

1959年生まれ。90年、朝日新聞社入社。社会部、那覇支局、論説委員、編集委員、長崎総局長などを経て、2021年5月に退社。現在は未来工学研究所(東京)のシニア研究員(非常勤)。主要国の防衛政策から基地問題、軍用技術まで幅広く外交・防衛問題全般に関心がある。防衛大学校と防衛研究所で習得した専門知識を生かし、安全保障問題の新しいアプローチ方法を模索中。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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