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法律の改正や廃止を国民が自ら発議し自ら決める~イニシアティブ制度による政治参加を(下)

刑法改正、同性婚、原発……各国の「民主制実践」の取り組み

今井 一 ジャーナリスト・[国民投票/住民投票]情報室事務局長

日本でも一部の自治体が住民発議権を認めている

 実は日本でも、法律ではなく条例(自治基本条例、住民投票条例など)でこうした住民からの発議権を認めている自治体が80余りある。

 例えば、我孫子市では有権者の6分の1、岸和田市では同4分の1、豊中市では同6分の1、丹波篠山市では同5分の1の署名を得られれば、原則として必ず発議案件に関する住民投票が実施される。

 地方自治法に則った住民投票条例制定の直接請求の場合は、どんなにたくさんの署名を集めても、たいてい議会に拒否されるが、前述の条例は議会が発議や住民投票の実施を拒むことができな「実施必至型」となっている。

 この制度を使って、丹波篠山市では(「篠山市」時代の)2018年10月、住民から市の名称を変更することを求めての住民投票実施の請求があり、翌月18日に実施。賛成多数となり、翌2019年5月より「丹波篠山市」となった。

 国民発議や国民拒否について、その制度内容や実施事例を紹介してきたが、紙幅の関係で細かな解説ができず、少々粗っぽくなったかもしれない。この記事を読んで国民発議や国民拒否という制度について関心を強めた方は、制度解説、事例紹介をたっぷり盛り込んでいる『国民投票の総て』『住民投票の総て』をぜひ読んでいただきたい。例えば、先ほど紹介したアメリカの実施事例については、賛否の票数まできちんと掲載している。

 最後に、私たちはこうした制度を日本にも導入するために動く市民グループ結成の準備を現在進めており、来春にも発足させる予定でいる。そのことについてはまた次の機会に。

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筆者

今井 一

今井 一(いまい・はじめ) ジャーナリスト・[国民投票/住民投票]情報室事務局長

 1991年以降、ソ連、ロシア、スイス、フランス、イギリスなどで国民投票の取材を重ね、国内では新潟県巻町、名護市、徳島市など各地で実施された住民投票を精力的に取材。2006年~07年には、衆参各院の憲法調査特別委員会に参考人及び公述人として招致され、国民投票のあるべきルールについて陳述する。著書に『CZEŚĆ!(チェシチ)──うねるポーランドへ』(朝日新聞社)、『住民投票』(岩波書店)、『「憲法9条」国民投票』(集英社)、『国民投票の総て』、『住民投票の総て』(ともに[国民投票/住民投票]情報室)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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