メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

眞子さんの結婚でメディアと「世間」は…~ダイアナ元妃の交通事故死と毀誉褒貶

結婚で「祝賀報道」は増えた。眞子さんと小室氏は新天地でどう生きていくのか

山口 昌子 在仏ジャーナリスト

最後の恋人ドディにメディアが色めき立ったワケ

 彼女は、「みんなは私が学位をひとつも持っていないと言ってバカにする」と嘆いていたが、彼女の実像は、種々の逸話や側近など周囲の人たちの談話、実際に会話を交わした人たちの感想から憶測すると、意外と「つまらない女性」だったかもしれない。ただ、何人かの不倫相手がいた「恋多き女性」だったことは事実のようだ。いまもって、欧州の「女性週刊誌」や「有名人のゴシップ専門誌」は、「ヘンリー王子の父親はチャールズ皇太子ではない」などのゴシップを流し続けている。

 最後に「恋のお相手」として登場したのが、元妃と事故車に同乗していて即死したエジプト出身のドディだ。彼は単なる「恋のお相手」ではなく、「婚約」や「再婚近し」の情報があり、2人が南仏に到着した時から、パパラッチによる激しい追跡が始まった。

 メディアはなぜ色めき立ったのか。それは、「本命」であるに加えて、異色の組み合わせだったからだ。

 元妃は英国の貴族階級出身の金髪、碧眼の典型的な西洋美人。一方のドディは、黒髪のアラブ人。父親は大金持ちの商人。母親の兄弟は武器商人もいる。およそ元妃には不似合いなお相手でもあるからだ。

 社会的階級も人種も宗教も文化も異なる二人で、事故死についても、いまだに陰謀説、暗殺説がささやかれている。要は、未来の英国王の母親の再婚相手として、まったく、ふさわしくない、というわけだ。

悲劇的な事故死で「聖女」に変貌

 フランスの捜査当局は約1年に及ぶ捜査の結果、大型ベンツを運転していたフランス人運転手の「飲酒運転」(法定許容量の数倍以上のアルコールと精神安定剤も検出された)が、事故の原因という結論を出した。ちなみに、ベンツを追跡していたパパラッチ7人は瀕死の重傷を負った元妃を助けずに、シャッターを切り続けたので、「救助義務違反」などで起訴されたが、結局、無罪放免になった。

 だが、元妃はこの突然の悲劇的な交通事故死を機に、「スキャンダラスな恋多き女」から「聖女」へと変貌(へんぼう)した。元妃は当時、対人地雷禁止運動の活動家だったが、事故後、イギリスやフランスのメディアはそろってこうした面を強調するようになった。

拡大ダイアナさんの事故死を一面トップで伝えたルモンド紙

大きな反響を呼んだ「ルモンド」の記事

 フランスの主要紙「ルモンド」は事故死直前の8月27日付け(夕刊紙なので発行は26日)の紙面で、元妃との単独会見を掲載したところだった。この中で、元妃は「新聞は間違いしか探さない。何ひとつ許さない。あらゆる意思が曲解され、あらゆる行動が批判される」とメディアを批判した。熱心に行っていた「親善大使」としての活動を取り上げないことにも不満を漏らした。

 「まともな神経の持ち主が私のような目にあったら、英国からとっくに逃げ出しているでしょう。しかし、私には2人の息子がいます」と、“亡命”も叶わないことを嘆き、複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)寸前であることも告白した。

・・・ログインして読む
(残り:約1849文字/本文:約4206文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

山口 昌子

山口 昌子(やまぐち しょうこ) 在仏ジャーナリスト

元新聞社パリ支局長。1994年度のボーン上田記念国際記者賞受賞。著書に『大統領府から読むフランス300年史』『パリの福澤諭吉』『ココ・シャネルの真実』『ドゴールのいるフランス』『フランス人の不思議な頭の中』『原発大国フランスからの警告』『フランス流テロとの戦い方』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

山口 昌子の記事

もっと見る