立憲の代表選候補と議員諸氏は4年前の「希望の党」なだれ込みを総括せよ
目先の損得で”魂”を売った過去を国民は忘れていない
今井 一 ジャーナリスト・[国民投票/住民投票]情報室事務局長
生き残りを図った「希望の党」への合流劇
民主党は、2009年8月の衆院選で大勝して政権を執ったものの、翌年には支持率が下がりはじめた。鳩山、菅、野田と党首交代を重ねる度に不人気に拍車がかかり、2012年の暮れに政権を返上。その後も人気は回復せず、2016年の春には維新の党(松野頼久代表)と合流して民進党となったが、支持率低下は止まらなかった。
一方、自民党を辞め、2016年の都知事選に出馬し圧勝した小池百合子は人気沸騰。都知事選後に地域政党「都民ファーストの会」を設立すると、翌2017年の都議選では49人が当選し、自民党(当選23人)を抑えて第1党となった。ちなみにこの選挙での民進党の当選者はわずか5人で、両党の勢いの差は歴然としていた。
不人気が続く民進党は蓮舫を代表に据えて党勢の回復を図ったが、二重国籍問題が発覚すると所属議員の「離党ドミノ」が進んで蓮舫は辞任。次の代表をめぐって前原と枝野が争い、前原が勝利した。
その矢先の2017年9月25日、安倍首相は28日召集の臨時国会冒頭に衆議院を解散すると表明し、衆院選が10月22日投開票で行われることになった。
同日、小池知事は都庁で記者会見を開き、新党を設立して代表職に就くことを発表。「希望の党」を旗揚げして衆院選に名乗りを上げる。

「希望の党」結党会見でポーズをとる代表の小池百合子氏(中央)。左から2人目は細野豪志氏=2017年9月27日
その翌日、前原は小池に会う。民進党のまま選挙戦に突入すれば大半の議員は落選するので、民進党を捨てて「希望の党」へなだれ込み、小池人気に便乗して生き残りを図ろうと考えたのだ。この会談において両者は「野党勢力を結集するために、連携して戦う」という建て前で合意した。