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立憲の代表選候補と議員諸氏は4年前の「希望の党」なだれ込みを総括せよ

目先の損得で”魂”を売った過去を国民は忘れていない

今井 一 ジャーナリスト・[国民投票/住民投票]情報室事務局長

「希望の党」小池代表は当初から「選別」を口にしていた

 ただし、小池は前日の都庁での記者会見の場で、民進党との連携は「党をまるごとというよりは政策の同意が必要だ」と述べていたし、前原と会った翌日(27日)に出演したBSフジのテレビ番組では「公認するにあたっては、改憲と安全保障に対する姿勢に関して一人ひとりに考えを確認し、その上で個別に選別する」旨の発言をしていた。つまり、後に大きな話題となった、例の「排除します」発言は刺激的な言葉だが、選別して公認することに関しては、当初から小池が示していた民進党議員を受け入れる際の基本姿勢だった。

 小池・前原会談の2日後(9月28日)に衆議院は解散し選挙戦に突入するが、同日午前、民進党は常任幹事会を開き、前原は下記の事柄について提案した。

①今回の総選挙における民進党の公認内定は取り消す。

②民進党の立候補予定者は「希望の党」に公認を申請することとし、「希望の党」との交渉及び当分の間の党務については前原代表に一任する。

③民進党は今回の総選挙に候補者を擁立せず、「希望の党」を全力で支援する。

民進党両院議員総会で議員に配られたのは、党公認を取り消し、希望の党を全力で支援することを促す案だった=2017年9月28日 拡大民進党両院議員総会で議員に配られたのは、党公認を取り消し、希望の党を全力で支援することを促す案だった=2017年9月28日

 常任幹事会はこの提案を了承し、そのあとに開いた民進党両院議員総会に諮られる。この総会に集まった議員は130人。彼らと向かい合う演壇のわきに配置された席には、前原代表と枝野代表代行らが座った。

 翌日付の朝日新聞には、この総会での議員の発言がいくつか紹介されている。

 「(民進党としての)公認を放棄するなら事実上、解党だ。政党としてルールを果たさず公認しないのは、いかがなものか」(鷲尾英一郎・衆院北陸信越)

 「(小池百合子による)『選別』はあり得ないと明言してほしい」(佐々木隆博・衆院北海道6区)

 こういった発言に対して前原は、「起死回生の状況をどう作りあげるのかの議論が必要だ」、「全員が(希望の党から)立候補していただけるように全力を尽くす。お任せいただきたい」と返した。

 また、「安保法制」など政策面で大きな隔たりがあることについて危惧する声も出たが、「安倍さんを引きずり下ろすための一夜城だ。政策は(選挙が)終わってからゆっくり考えよう、という潔さがあったほうがいい」(古本伸一郎・衆院愛知11区)といった発言に抑え込まれた。

 結局、この総会の場で「前原提案」に強く反対するものはおらず「満場一致」の拍手で了承された。枝野、福山、辻元といった後の立憲創設メンバーも、このときは希望の党へのなだれ込みに異議を唱えなかったということだ。

 民進党両院議員総会に臨む前原誠司代表(左)と枝野幸男代表代行=2017年9月28日 拡大 民進党両院議員総会に臨む前原誠司代表(左)と枝野幸男代表代行=2017年9月28日 (肩書は当時)

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筆者

今井 一

今井 一(いまい・はじめ) ジャーナリスト・[国民投票/住民投票]情報室事務局長

 1991年以降、ソ連、ロシア、スイス、フランス、イギリスなどで国民投票の取材を重ね、国内では新潟県巻町、名護市、徳島市など各地で実施された住民投票を精力的に取材。2006年~07年には、衆参各院の憲法調査特別委員会に参考人及び公述人として招致され、国民投票のあるべきルールについて陳述する。著書に『CZEŚĆ!(チェシチ)──うねるポーランドへ』(朝日新聞社)、『住民投票』(岩波書店)、『「憲法9条」国民投票』(集英社)、『国民投票の総て』、『住民投票の総て』(ともに[国民投票/住民投票]情報室)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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