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「均等」にほど遠かった女性候補・当選者~各政党が採るべき3つの具体策

衆院選の選挙結果分析を踏まえて

五十嵐 暁郎 立教大学名誉教授

 候補者男女均等法の成立後初めての総選挙であったことや、選択的夫婦別氏制度など女性に関わる議論が必要とされていることから、選挙前、メディアは女性の政治進出に関して熱心に議論した。それに比べるとこの観点からする選挙結果の分析は乏しかったように思われる。

 そこで、総選挙の候補者擁立と選挙結果を分析するとともに、女性候補と当選者を増やすために各政党が採るべき具体策を示したい。

(1) 男女同数の候補擁立へ、各政党は努力を可視化せよ

2021年総選挙の全候補者数と女性候補者数・割合
 今回は候補者男女均等法の成立後初めての総選挙であったにもかかわらず、与党である自民、公明をはじめ野党第一党である立憲民主党など、主要政党のほとんどは50%にはるかに及ばない数の女性候補者しか立てなかった。

 各政党は候補者の選定にあたって男女同数をめざすべきであり、今後は松野博一官房長官が11月2日の記者会見で述べているように、各政党が目標とのギャップを埋めるためにどのような努力を行なっているかが「可視化」され評価されなければならない。たとえば、各政党で候補者選定にあたる委員会における男女比が公表されるべきである。

 また、各政党は女性政治家を真剣に養成しようとしているのだろうか。かつて民主党では女性議員が中心になって女性候補の養成に取り組んでいたが、現在はどうなっているのだろうか。各政党の取り組みが検証されなければならない。

(2) 難しい女性の小選挙区勝利~比例単独候補の擁立・名簿上位登載を

 選挙の結果、女性の当選者45人は、前回の47人よりも2人減少している。

2021年総選挙での女性候補者の選挙結果
 また、選挙結果をもう少し詳しく見ると、利害関係が張り巡らされている小選挙区で女性候補が勝ち抜くのは難しいことが分かる。復活当選も容易ではなく、小選挙区で立候補した女性候補の当選率は復活当選も含めて最終的に27.42%であった。

 その中で自民、立憲、公明、共産が採用した比例単独候補は、総選挙で女性候補を一定数当選させる方法

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