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盛り上がりを欠いた立憲の代表選 新執行部4人の結束で脱皮できるか?!

泉代表、逢坂代表代行、西村幹事長、小川政調会長の常識を越えた決断と行動に期待

田中秀征 元経企庁長官 福山大学客員教授

 立憲民主党(以下、立憲)の代表選は、1回目投票の上位2人による決戦投票の末、泉健太氏が逢坂誠二氏を大差で破って選任された。11月30日午後におこなわれたこの代表選を、私はテレビの生中継でその一部始終を視聴した。

 それにしても、立憲はなぜ、代表選を衆院選前に実施しなかったのか。少なくとも自民党の総裁が交代した段階で立憲も人事を一新しておけば、その後の展開は、今とまったく違ったものになっただろう。私も含めて、そのような声はきわめて大きい。

 もしも、この代表選が衆院選の前に行われていたらどうだったか。今回、立候補した4人の候補の誰が代表に選ばれたとしても、衆院選でかなりの前進があったに違いない。

拡大立憲民主党の新代表に選出され会見する泉健太氏=2021年11月30日、東京都港区

自民総裁選候補に負けていない立憲代表選の4候補

 泉、逢坂、小川淳也、西村智奈美の4氏は、その資質において、決して自民党の総裁候補(岸田文雄、河野太郎、高市早苗、野田聖子の4氏)に負けてはいない。それどころか、“世襲政治家”ではなく“創業政治家”であることにより、政治の道の険しさや世論の深さを知るという点で、政治家として「一日の長」があるかもしれない。演説、挨拶、立ち居振る舞いでも、“温室育ち”の世襲政治家の上をいっている。

 4人が推されて立ったのではなく、自ら手を挙げて立ったところも、もっと注目されていい。それほどまでに党の刷新に意欲的なのだと思いたい。

 泉新代表は、明るくて爽やか。旧国民民主党を出て、昨年また立憲民主党に合流したことから、政治家としての自立性も感じられる。

 今すぐ首相をつとめるというなら、逢坂氏は一歩前に出ているだろう。北海道・ニセコ町長として行政をつかさどった経験が生きるはずだ。安定感と信頼感は群を抜いている。

 ただ課題は、政治基盤の狭さを感じさせるところだ。より柔軟な経済政策と安保政策を待っている人は少なくない。

 小川氏には、ある種の熱狂的な支持があることは承知している。世論を“援軍”とするその突破力が必要とされる日は、遠からず来るだろう。仮に党がこのまま停滞してしまうようなら、そこに風穴を開けるのは彼に違いない。

 西村氏も健闘した、今までの与野党の有力女性政治家とは、どこか違うという印象を受けた。米農家の生まれ、地方大学の出身、新潟県議会議員の経験者という経歴によって、政治家に必要な“土着性”が身についているのだろう。

拡大立憲民主党の臨時党大会で登壇した(左から)逢坂誠二氏、小川淳也氏、泉健太氏、西村智奈美氏=2021年11月30日、東京都港区

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筆者

田中秀征

田中秀征(たなか・しゅうせい) 元経企庁長官 福山大学客員教授

1940年生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒。83年衆院選で自民党から当選。93年6月、自民党を離党し新党さきがけを結成、代表代行に。細川護熙政権で首相特別補佐、橋本龍太郎内閣で経企庁長官などを歴任。著書に『平成史への証言 政治はなぜ劣化したのか』(朝日選書)https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=20286、『自民党本流と保守本流――保守二党ふたたび』(講談社)、『保守再生の好機』(ロッキング・オン)ほか多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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