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ハイブリッド戦という新たな"戦場"(上)非軍事手段をフル活用する侵略手法

サイバー攻撃、メディア乗っ取りなどが戦いの前面に

山下裕貴 元陸将、千葉科学大学客員教授

クリミア併合でロシア軍が用いた作戦

2014年3月、クリミア半島でウクライナ軍施設を固めたロシア軍と見られる兵士たち拡大2014年3月、クリミア半島でウクライナ軍施設を固めたロシア軍と見られる兵士たち

 「ハイブリッド戦」が注目されたのは、2014年に発生したクリミア併合においてロシア軍が行った作戦である。クリミア併合の経緯をみると、2月27・28日に親露派や不明部隊によるクリミア議会・行政庁舎及び空港の占拠、空軍基地の滑走路閉鎖が行われ、3月1日からロシアがクリミアに地対艦ミサイル、歩兵旅団などの部隊の展開を開始した。3月16日にはクリミアにおいて住民投票が行われ、ロシア編入賛成が97%となり、18日にクリミアのロシア編入に関する条約にプーチン大統領が調印した。そして3月25日にはロシアがクリミアの軍事拠点を全て制圧した。この間、クリミアとウクライナ本土との有線通信網の切断、ウクライナのテレビ局のクリミアでの放送停止、インターネットや携帯電話の妨害なども行われた。

 このクリミア併合において、ロシアは秘密裏の作戦、偽情報・プロパガンダの流布、サイバー攻撃・電子戦といった手法を用いて広範囲にわたる作戦を実施したと西側の情報機関は分析している。

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筆者

山下裕貴

山下裕貴(やましたひろたか) 元陸将、千葉科学大学客員教授

1956年宮崎県生まれ。1979年陸上自衛隊入隊、自衛隊沖縄地方協力本部長、東部方面総監部幕僚長、第3師団長、陸上幕僚副長、中部方面総監などを歴任し2015年に退官。現在は千葉科学大学客員教授、日本文理大学客員教授。著書に『オペレーション雷撃』(文藝春秋)など。アメリカ合衆国勲功勲章・功績勲章を受章。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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