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「失われた30年」を反転させる2022年に アベノミクスの「負の部分」を修正

与野党が共にその解決策を考え、政府はそれを参考により良い政策を

落合貴之 立憲民主党衆院議員

貯蓄ゼロの世帯が大幅に増加

 アベノミクスのもと、積極的な金融政策により、物価はマイナス局面から脱却し、デフレでない状況はできました、また、特に大企業の収益は高い数字を示し、株価も上がりました。これは一つの成果です。

 しかし、それは、国民の家計を潤し、企業の競争力も向上させるという好循環を生むには至りませんでした。アベノミクスは「道半ば」だということは、安倍元首相自身も、ブレインの方々も、頻繁に口にしてきました。

拡大グラフ1

 上のグラフ1は、アベノミクスが始まってから、コロナ前までの7年間の数字です。物価上昇率よりも賃金上昇率が下回ってしまってきたため、国民の実質的な賃金は下がってしまいました。また、消費税の増税を2回行ったことなどもあり、国の経済の6割近くを占める個人消費は、アベノミクスの開始時よりも1割も下がってしまいました。

 その結果、貯蓄ゼロ世帯が大幅に増えてしまいました(下の表参照。2018年から統計の取り方を変えてしまったため、2017年との比較を載せています)。

拡大

急速に低下した産業競争力

 家計が振るわないことと共に気がかりなのは、産業競争力の急速な低下です。好調な企業業績が賃金に回らなかっただけでなく、有効な設備投資にも回らなかったことが原因です。

 デジタルが世界経済をけん引するということは早いうちから分かっていたにもかかわらず、半導体生産の世界シェアは、この30年で約5割から1割程度にまで低下をしてしまいました。世界をけん引すると意気込んできた5Gの分野も、欧米の先進国にだけでなく、アジアの近隣諸国にも後れを取ってしまっています。

 デジタルと並ぶ成長分野と目されるグリーン分野でも、太陽光パネルの世界での生産シェアは、10数年で約4割から1%未満に低下。風力発電設備の生産シェアも低下してしまっています。

 なぜ、こういう経済になってしまったのか。その原因に手当をしなければ、良好な経済を築くことはできません。

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筆者

落合貴之

落合貴之(おちあい・たかゆき) 立憲民主党衆院議員

1979年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。三井住友銀行行員、衆議院議員江田憲司秘書などを経て、2014年衆院議員初当選、現在3期目。衆議院経済産業委員会野党筆頭理事、党政調副会長など歴任。著書に『民政立国論 一人ひとりが目指し、挑み、切り拓く新世界』(白順社)。東京6区。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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