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自民党との連立で「質的役割」を果たした公明党~ライバルは日本維新の会か

「政党」としての公明党~一学究の徒の政治学研究【1】

岡野裕元 一般財団法人行政管理研究センター研究員

連立政権が定着した平成時代

 平成期の日本政治史を振り返ると、二大政党へと目が行きがちであるが、実態は連立政権の定着にあった。自民党・公明党(・自由党→保守党→保守新党)と、民主党・国民新党(・社民党)の枠組みである。

 連立政権が続いた要因としては、①参議院が自律しており、選挙結果次第で「強い参議院」にもなり得ること、②衆議院と参議院とでは選挙制度や選挙時期(しかも、参議院は半数ずつの改選)が異なり、両院の選挙とも比例代表制の要素を加味していること――などが挙げられる。

 実際、参議院では、自民党が単独で過半数の議席を有しない事態が平成期以降に常態化しており、数の面からも自民党が連立を組むことが迫られた。2009年衆院選後に民主党が政権を樹立するに際しても、連立政権となった要因はやはり参議院の存在であった。

 いずれにせよ、連立政権による政治が定着したことは、与党間の調整メカニズムを、試行錯誤を繰り返しつつも、発達させた。

国・地方議員が「ヨコ」関係でつながる公明党

拡大公明党本部=2020年11月13日、東京都新宿区南元町

 筆者は、公明党が連立与党に加わることで、党として「国政における政治の安定」(衆参の議席数、与党事前審査制による党内ガバナンス、与党間の調整メカニズム)だけでなく、「政治面での中央・地方関係の安定」をもたらす役割も果たしてきたと主張したい。

 理由としては、公明党の政党組織研究を通じ、党内において、地方議員の意見がダイレクトに伝わる仕組みが採用されていたことを知ったことを挙げたい(岡野裕元「公明党の立体的政策形成――「ヨコ」関係の軸となる国会議員・地方議員・事務局との協働ネットワーク――」奥健太郎・黒澤良[編著]『官邸主導と自民党政治――小泉政権の史的検証』吉田書店、2022年2月上旬刊行予定)。公明党の規模が中規模で、機動的な党活動ができるという面もプラスに働いている。

 日本政治には、①国政での連立政権の常態化と調整メカニズムの発達、②国政での政府・与党二元代表制、③二大政党における党中央・地方組織(国会議員・地方議員)のリンケージの弱さ――という特徴がある。とすれば、与党である大政党と連立する中小政党が「政治面での中央・地方関係の安定」の役割を担わない限り、政治の安定はない。

 そうした役割を担えるのは、国会議員と地方議員が「タテ」でなく、「ヨコ」関係でリンケージしている“党内文化”を持つ政党である。そうした党内文化を持つ政党には、議席数という数の面だけにとどまらない「質的役割」がある。公明党はまさしく、その条件に合致する政党といえる。

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筆者

岡野裕元

岡野裕元(おかの・ひろもと) 一般財団法人行政管理研究センター研究員

1989年千葉県佐倉市出身。学習院大学法学部卒業。学習院大学大学院政治学研究科政治学専攻博士後期課程修了、博士(政治学)。現在、一般財団法人行政管理研究センター研究員のほか、報道番組の司会者の政治アドバイザーも務める。元青山学院大学文学部・学習院大学法学部非常勤講師。専門は、地方政治、政治学。著書に、『都道府県議会選挙の研究』(成文堂)、『官邸主導と自民党政治――小泉政権の史的検証』(共著、吉田書店)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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