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「専守防衛」とは「まず国土に被害が生じる」を意味する〜ウクライナ危機から考える日本の安全保障

「攻撃されて初めて防衛できる」ことが意味するもの

山下裕貴 元陸将、千葉科学大学客員教授

サイバー攻撃などに高い能力を持つロシア軍

 しかしながら総兵力約90万人、陸軍約33万人、戦車約2800両(保管中を含めると約1万3000両)という強大な戦力を有するロシア軍に、総兵力約18万人、陸軍約8万人、戦車約700両のウクライナ軍がどこまで抵抗出来るのかは分からない。また侵攻作戦において、ロシア軍は陸海空の従来作戦領域に宇宙・サイバー・電磁波領域を加えた領域横断作戦を実施するはずであるが、この領域横断作戦をウクライナ軍がどこまで阻止出来るのか安全保障専門家の注目するところである。

arda savasciogullari/shutterstock.com拡大arda savasciogullari/shutterstock.com

 数年前に自衛隊の高官として初めてウクライナを訪問した陸上自衛隊幹部がいるが、彼の話によるとロシア軍の領域横断作戦能力は、電子戦部隊及びその活動、サイバー攻撃、非正規戦の様相など西側諸国の軍事専門家を震撼させるほどの実力だとのことである。

 ウクライナにとってロシア軍の侵攻は第二次世界大戦後、再び大規模な戦争が国土で行われることを意味している。両軍の戦闘が市街地を含み大規模に行われれば、一般市民を巻き込み被害は甚大になるとミリー統参議長も述べている。

「専守防衛」とは「先に攻撃される」こと

 日本の安全保障にとってロシアのウクライナ侵攻は大きな示唆を与えている。

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筆者

山下裕貴

山下裕貴(やましたひろたか) 元陸将、千葉科学大学客員教授

1956年宮崎県生まれ。1979年陸上自衛隊入隊、自衛隊沖縄地方協力本部長、東部方面総監部幕僚長、第3師団長、陸上幕僚副長、中部方面総監などを歴任し2015年に退官。現在は千葉科学大学客員教授、日本文理大学客員教授。著書に『オペレーション雷撃』(文藝春秋)など。アメリカ合衆国勲功勲章・功績勲章を受章。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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