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コロナ「専門家」が科学的な正しさより重視するものとは~上昌広氏に聞く

コロナ対策徹底批判【第四部】~上昌広・医療ガバナンス研究所理事長インタビュー⑪

佐藤章 ジャーナリスト 元朝日新聞記者 五月書房新社編集委員会委員長

仮説とコンセンサスをごっちゃにした議論

――厚労省の医系技官は当初、感染症法上の積極的疫学調査を感染研にやらせることにしました。当時は何もわかっていませんでしたから、仕方ないとしても、その後、無症状感染者の存在が分かってからも軌道修正しなかったことはまずかったですね。

 そうですね。現在の知識で言うと、コロナウイルスは主に空気感染しますので、スーパー・スプレッダーなんているかどうかはっきりしないんですよ。その建物の構造が悪かったとか、換気の具合がどうだったかとか、複合的な要因が考えられるわけです。
そのあたりを考えれば、当初の議論もまともな議論とはとうてい思えない。はっきり言えば科学者の議論ではありません。仮説とコンセンサスがごっちゃにされています。

――仮説とコンセンサス、とは?

 空気感染でウイルスが空中にいるのなら、スーパー・スプレッダーがいなくても広がりますよね。この考え方は検証されていないものの一つに過ぎず、結果的にそうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。要するに、仮説なんです。

ウイルス対策を深く考えていない医系技官

――最初に考えた仮説と、他の研究者たちのコンセンサスが得られた事実とを区別せずに、ごっちゃにしたということですね。なぜこういうことが起きたのでしょう。押谷さんが特別なのか。日本のいわゆる「専門家」という人たちにおしなべて言えることなのか。

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筆者

佐藤章

佐藤章(さとう・あきら) ジャーナリスト 元朝日新聞記者 五月書房新社編集委員会委員長

ジャーナリスト学校主任研究員を最後に朝日新聞社を退職。朝日新聞社では、東京・大阪経済部、AERA編集部、週刊朝日編集部など。退職後、慶應義塾大学非常勤講師(ジャーナリズム専攻)、五月書房新社取締役・編集委員会委員長。最近著に『職業政治家 小沢一郎』(朝日新聞出版)。その他の著書に『ドキュメント金融破綻』(岩波書店)、『関西国際空港』(中公新書)、『ドストエフスキーの黙示録』(朝日新聞社)など多数。共著に『新聞と戦争』(朝日新聞社)、『圧倒的! リベラリズム宣言』(五月書房新社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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