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沖縄を「盾」にしない、尖閣諸島を「領土問題」にしない中国との向き合い方

本土復帰・国交正常化50年、「基本文書」は平和資源

内田雅敏 弁護士

戦争の近現代史という「教訓」

 〈中国共産党という、21世紀の特異な独裁政党が、世界のファントムとなって徘徊し、全世界の人民を抑圧しようとしています。香港市民の自由を蹂躙し、今度は、台湾を台湾省として統治下に置こうとし、内政問題としての「外敵」で、国民を「団結」させようとしています。自由の春を享受するためには、矢張り一度は、冬が必要なのでしょうか〉

 1960年安保闘争時の全学連指導部の一員であった先輩弁護士からのメールの一節です。

 関係諸国の抗議を無視した南シナ海における海洋進出、香港、ウイグル地区における人権弾圧、今や「反中国」は時代のトレンドになりつつあります。

 自然界では、冬の後には春が来ますが、人間界で経験することになるかもしれない「冬」は「核の冬」になる可能性もあり、その後にはもう「春」は来ません。故浅川マキが「もう春なんか来やしない、来やしない」と歌った『ふしあわせという名の猫』(寺山修司作詞)が聴こえてきそうです。

 1914年の第一次世界大戦、指導者たちは数か月で終わるだろうと予測していましたが、戦争は4年余の長きにわたり、欧州は破壊しつくされました。敗戦国ドイツに対する苛酷な賠償がヒトラーの台頭を招き、第二次世界大戦を引き起こしました。

 2001年の米国同時多発テロを契機とするブッシュ大統領の戦争の顛末からも明らかなように、戦争は始まれば、これを「制御」「管理」することなどできません。「戦争をなくすための戦争」もないことは歴史の教訓です。「歴史とは現在と過去との間に於ける尽きることのない対話」(E・H・カー)なのですから、戦争の近・現代史を「世界遺産」として教訓化しなければなりません。

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筆者

内田雅敏

内田雅敏(うちだ・まさとし) 弁護士

1945年生まれ。弁護士としての通常業務の他に、長年にわたり、中国人強制連行・強制労働問題(花岡、西松、三菱マテリアル)など戦後補償問題、靖國問題などに取り組む。著書に『元徴用工 和解への道 ――戦時被害と個人請求権 』(ちくま新書)、『和解は可能か――日本政府の歴史認識を問う 』(岩波ブックレット)など 。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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