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ロシアのウクライナ侵攻はプーチン対“世界の人々”の戦いだ~歴史の過ちを繰り返すな

プーチン政権の途方もない邪悪さを思い知らされた「国際社会」が取るべき道は

田中秀征 元経企庁長官 福山大学客員教授

 2月28日、かつてなく世界の目が集中するなかで、ロシア、ウクライナ両国の代表団による停戦協議が始まったが、案の定、ロシア側の理不尽な主張によって交渉は暗礁に乗り上げている。協議自体は継続しているものの、先行きは依然、不透明だ。

拡大ハリコフで3月2日、攻撃を受けて炎を上げる警察施設=ウクライナ非常事態当局のフェイスブックから

啞然とさせられるロシア側の要求

 報道によると、協議に先立ってウクライナの大統領府は、「ロシアとの協議の最も重要な議題は、即時の停戦とウクライナ領土内からのロシア軍の撤退だ」と表明したという(2月28日朝日新聞デジタル)。これは当然の主張であり、それでなければロシア代表団と会う意味はない。

 これに対し、ロシア側が勝手に要求する協議課題は。①ゼレンスキー政権の退陣、②ウクライナの非軍事化(武装解除)、③ウクライナの中立国化(NATOへの非加盟)――であると報道されている。

 ロシア側のこうした要求は、あまりにひど過ぎるとして、世界を啞然(あぜん)とさせている。これは停戦協議というものではない。まるで降伏協議ではないか。

 このロシア側の傲慢極まる態度によって、協議を通じて戦争は終わるかもしれない、ロシア側がウクライナから撤退するかもしれないという、ほのかな期待も裏切られた。そして、「国際社会」はプーチン政権の途方もない邪悪さを、思い知らされたのである。

拡大Tomasz Makowski/shutterstock.com

ロシアの暴挙に怒り心頭の“世界の人々”

 ここで私が言う「国際社会」は、世界の国々というよりも、“世界の人々”と言うべきであろう。それほどまでに世界の人々は今、ロシアの暴挙に対して怒り心頭になっている。そればかりか、ロシアのとんでもない暴挙に立ちはだかるために、自分に何ができるのかを、多くの人たちが自らに問うまでに至っている。

 くわえて、もしここでロシアの主張を認め、「覇権主義」に道を開けるという事態になれば、中国による台湾への侵攻も一気に現実味を帯びてくるのではないかということもまた、世界の人々は感じ取っている。

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筆者

田中秀征

田中秀征(たなか・しゅうせい) 元経企庁長官 福山大学客員教授

1940年生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒。83年衆院選で自民党から当選。93年6月、自民党を離党し新党さきがけを結成、代表代行に。細川護熙政権で首相特別補佐、橋本龍太郎内閣で経企庁長官などを歴任。著書に『平成史への証言 政治はなぜ劣化したのか』(朝日選書)https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=20286、『自民党本流と保守本流――保守二党ふたたび』(講談社)、『保守再生の好機』(ロッキング・オン)ほか多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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