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ロシアのウクライナ侵攻はプーチン対“世界の人々”の戦いだ~歴史の過ちを繰り返すな

プーチン政権の途方もない邪悪さを思い知らされた「国際社会」が取るべき道は

田中秀征 元経企庁長官 福山大学客員教授

忘れられない青年の言葉

 人は誰であれ、「自由」や「独立」が侵害されたとき、あるいは家族や友人が陵辱を受けているとき、一身を捨てるという覚悟ができるものだと私は思っている。人類の長い歴史を振り返るとき、人々は圧政や弾圧といった様々な苦難をそうやって乗り越え、今という時代をつくってきた。

 侵攻の翌日であったか、キエフの空港に到着した一人の青年の発言を、私は忘れることができない。

 「なぜ、キエフに来たのか」と問われた彼は、次のような趣旨の返答をした。

 「祖国を守るために帰ってきた。これから家族や友人のために戦う」。

 気負いも何もない。淡々と語るだけにかえって迫力を醸し出す彼の姿を見ながら、「がんばれ」と声を出さずにはいられなかった。

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筆者

田中秀征

田中秀征(たなか・しゅうせい) 元経企庁長官 福山大学客員教授

1940年生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒。83年衆院選で自民党から当選。93年6月、自民党を離党し新党さきがけを結成、代表代行に。細川護熙政権で首相特別補佐、橋本龍太郎内閣で経企庁長官などを歴任。著書に『平成史への証言 政治はなぜ劣化したのか』(朝日選書)https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=20286、『自民党本流と保守本流――保守二党ふたたび』(講談社)、『保守再生の好機』(ロッキング・オン)ほか多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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